「この子、怒られちゃう。うちに連れて帰ろう」…保健所から救われた猫はやんちゃすぎてびっくり

小林トラくんは、保健所から猫ボランティアさんが引き出した子猫だった。猫を飼いたいと思っていた小林さんは、里親を募集していた三毛猫を見に行くつもりだった。しかし、保護団体の「さくらねこ」さんに行ってみると、そこにはやんちゃで、犬のように人懐っこいトラくんがいた。

■保護猫を飼おう

小林トラくんは、保健所から猫ボランティアさんが引き出した猫だった。「またたび家」さんという団体の人が引き出し、「さくらねこ」さんに引き継いだ。当時は、ポパイくんという名前で、とても可愛がられていた。

埼玉県に住む小林さんは、何かペットを飼いたいと思っていた。小林さんは、実家で犬を飼っていたので犬派だったが、まだ子供が小さいので、犬の散歩には行きづらく、猫がいいと思っていた。

「猫は娘が抱っこできますし、感受性豊かなので人とコミュニケーションが取れると思ったんです」

昔飼っていた犬も保護犬だったので、もしペットを飼うなら保護動物を飼いたいと昔から思っていた。猫も保護猫を探した。

■子供にもびびらない子猫

保護猫は、ジモティなどいろんな譲渡サイトにたくさん出ていて、毎日情報が更新されていた。「小さなお子さんがいるご家庭は、ご遠慮ください」という保護団体が多く、その条件がないところで、猫に会いに行けるところと考えると「さくらねこ」さんがぴったりだった。

2019年8月末、小林さんは、3人の子供を連れて「さくらねこ」さんに行った。娘さんが三毛猫がいいと言っていたので、譲渡サイトで探した三毛猫を希望していた。娘さんには兄と弟がいたので、猫は女の子がいいとも言っていた。

幼い子供たちが猫のいる部屋にわーっと入っていくと、みんな物陰に隠れてしまった。スタッフさんも「みんな、いつもは遊ぶのにな」と言っていた。

ところが、ポパイくんだけは物おじせず、抱っこされようが追いかけられようが遊んでいた。生後約2カ月。猫も人も大好きで、他の猫にじゃれて噛みついたり、覆いかぶさったりしてプロレスをしていた。

■犬のように振舞う

ポパイくんは、他の猫を追いかけて迷惑がられていたので、スタッフさんに「ポパイ、だめだよ」と軽くたしなめられた。それを見て、娘さんが「この子、怒られちゃう。うちに連れて帰ろう」と言い出したので、ポパイくんを譲渡してもらうことにしたという。結局、三毛猫には会わなかった。

その日の夜から二週間のトライアルがスタートした。まったく人見知りもせず、家が変わっても平気だった。

「やんちゃで、家の中を探検し、人が行くところにもついてきて、ごはんもしっかり食べ、トイレのそそうもしない。まるで犬みたいな猫でした」

初日は、ピアノの後ろに入って寝ていたが、朝、誰もいないことに気づくと、寂しくてニャアニャア鳴いていた。夏休み中は小林さんが家にいたが、休みが明けて仕事に行くと、後追いしてニャアニャア鳴いていた。

ポパイくんという名前だったが、子供たちが名前を決める醍醐味があるので、子供たちに決めさせた。その結果、野生のネコ科動物のような名前の「トラくん」になったという。

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