豚まんのようで豚まんじゃない!? 神戸の柔整師が開発した「豚ぱん」とは

豚ぱんの製造販売を始めた「神戸東洋医学センター」所長の冨金原伸伍さん
おひとついかが
「冷めてもおいしい」の売り文句に偽りなし!?
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 40年もの長きにわたり、神戸・県庁前で鍼やカイロプラクティックの治療所「神戸東洋医学センター」を営む冨金原伸伍さん(72)が豚まんならぬ「豚ぱん」を開発し、6月2日から神戸・元町で販売を始めた。元気が出る“本物”の料理を追い求めるあまり、本業のかたわら料理教室も開くようになって約4年。独自の製法でついに理想の豚まん、否、豚ぱんに辿り着いたという。

 冨金原さんは1979年7月、同センターを開設。カイロプラクティックの実践や普及に力を注いできた。料理の腕も抜群で、近年は飲食店などを借りて頻繁に料理教室を開いている。得意料理を訊ねると、「和洋中なんでもいける」らしい。

 「もともと豚まんはあまり好きではなかった」と話す冨金原さんだが、お得意さんから「おいしい豚まんを食べたい。市販の豚まんは口に合わない」と何度も頼まれて発奮。神戸をはじめ、全国の有名豚まんを食べ比べて味を研究し、今年3月頃から試作を始めた。

 冨金原さんが豚まんを食べて最も気になったのは、独特の「におい」だという。「原因は豚肉の血や脂が劣化することではないか」と考え、除去するために生のミンチを50度のぬるま湯で洗うことにした。「3回洗うことでにおいが取れ、うま味も増した」と冨金原さん。餡はこのミンチにタマネギとシイタケを加えて仕上げている。生地は知り合いのパン屋の指導を仰ぎながら何度も試行錯誤を重ね、最終的には「イースト菌の気持ちがわかるようになった」と豪語できるほど、発酵の知識と技術を磨いた。

 3カ月かけてようやく完成した豚まんをお得意さんや施術の患者、料理教室の受講生らに振る舞ったところ、「おいしい」「次はどこで食べられるのか」などと大評判に。ならば、と、一念発起して製造販売に乗り出すことを決意。厨房は元町にある飲食店のオーナーの厚意で使わせてもらえることになり、「もはや豚まんとは別物だ」という仲間たちの言葉に押される形で「神戸豚ぱん」と名づけた。

 冨金原さんによると、神戸豚ぱんは「におわない」「冷めてもおいしい」「しつこくないので何個でも食べられる」のが特長。街頭での試食販売も好評で、中には一度に40個も購入した人もいたという。「一口かじると、みんな目を丸くするんですよ。『うまい!』言うてね」

 冨金原さんはさらに、「神戸ぶたぱん・トンパンパン」なるオリジナルソングも制作。「豚まんのようでも豚まんじゃない」「食べて笑顔でトンパンパン」と畳み掛ける陽気な歌詞は冨金原さんの自作で、作曲は音楽家の小野瀬晃一さんに依頼した。知り合いの孫2人(小3と5歳の女の子)が歌う立派な音源もあり、運が良ければ路上販売のBGMとして聞くことができる。

 冨金原さんは「診療所の施術、本物の食、そして歌で元気になってもらおうという私なりの試み。ぜひ一度食べてみてほしい」と呼び掛ける。

 神戸豚ぱんは、「春貴ビル」(神戸市中央区三宮町3-9-19)1階の階段前で午前11時から販売(売り切れ次第終了)。1個130円。不定休。(まいどなニュース・黒川裕生)

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