のどかな漁師町には猫を捨てに来る人も多くて…庭に現れたやんちゃな子猫

 新潟県に住む本間さん宅に黒猫と一緒に現れた子猫。足の裏がまったく汚れておらず、どこかを放浪していた感じではなかった。誰かが車で捨てに来たと思われる子猫。いまは春太郎と名付けられ、すっかり家族の一員になっている。

■野良猫がたくさんいる漁師町

 新潟県の海辺、のどかな漁師町で暮らす本間さん。この地域は漁業が盛んなので、食べ物に困らないと思うのか猫を捨てに来る人が多く、野良猫がたくさんいるという。本間さんは、親子で庭に迷い込んできたうさこちゃんという子猫の野良猫も保護したが、春太郎くんもうさこちゃんと同じように、黒猫と一緒に庭に現れた。2011年3月のことだった。

 春太郎くんは足の裏がとてもきれいで、野良猫にしたら汚れていなかった。

 「もしかしたら、車で捨てに来たのかもしれないと思いました。母が『家の中で猫を2匹も飼ってはいけない』と言うので、外で飼うしかありませんでした。近所の白猫が春太郎をいじめに来るので、とりあえず農機具を入れておく納屋のようなところに入れたんです」

 しかし、その白猫は気がとても強くて、小屋の扉をこじ開けて入ろうとする勢いだった。ついに春太郎くんは怪我をしてしまい、治療のため動物病院に通うことになった。しかし、それを機に、お母さんも仕方がないと承諾し、家の中で飼うことができたのだという。

■春に来たから「春太郎」と命名

 本間さんは、女優の柴田理恵さんが飼っている保護犬「晴太郎(はるたろう)くん」をテレビで見たのだが、いい名前だなと思っていたそうだ。

 「同じ読み方でも、春に来たから春太郎にしようと思ったんです」

 家の中で飼い始めたのはよかったが、先住猫で4歳年上のうさこちゃんとの相性は良くなかったそうだ。

 「春太郎は遊んで、遊んでとうさこに近寄っていくのですが、穏やかにそばに行くのではなく、飛びかかるのでうさこがシャーっと威嚇するんです。でも、冬になるとヒーターの前で一緒に寝ていたり、うさこが春太郎をグルーミングしたりすることもあります」

 うさこちゃんが飛びかかってくる春太郎くんが苦手なのは、春太郎くんが大きいということもあるようだ。

 「うさこは食べることにあまり興味がないのですが、春太郎はよく食べますし、体が大きいからもう去勢してもいいだろうと獣医さんのところに連れて行ったら、1カ月早い、生後6カ月になっていないと言われたんです」

■2匹の猫に癒やされて

 子猫時代に外の楽しさを知ってしまった春太郎くん。家の中に入れてもすきあらば外に出ていこうと狙っていたという。

 「外出する時は、扉の隙間から出ていかないよう注意していました。このあたりの人は、昼間は玄関の鍵をかけていない家が多いのですが、来客があると出迎えに行くので、鍵をかけて、インターホンを鳴らしてもらうようにしたんです。お年寄りは、ゆっくり出入りされますし」

 元気いっぱいで、外に出て行きたくて仕方がない春太郎くん。もう7歳になったが、いたずらが大好きで、とにかくじっとしていないという。

 「大人しいうさこと違い、真逆の性格なので驚いたのですが、2匹の猫に癒やされています。寝ていても、ごはんを食べていても、グルーミングしていても、何をしていてもかわいいんです。家族からは、これ以上猫を増やさないでと言われていますが(笑)」

(まいどなニュース特約・渡辺陽)

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