野良猫だったやんちゃな子猫、初対面で『なぜて』と仰向けに

 三毛猫のテンちゃんは、保護主さんの家の近く、資材屋のところで発見、保護された子猫だ。母猫とはぐれ、たった1匹でいたところを保護され、2匹の保護猫を飼っている岡本さんに迎えられた。

■栄養失調の野良猫が産んだ、たった1匹の子猫

 岡本テンちゃんは、2017年5月ごろに産まれたと考えられている。保護主さん宅の近所の資材屋のところで、最初は母猫と思われる野良猫と一緒にいたのだが、ぽつんと1匹でいるようになり、11月に保護されたという。テンちゃんの母猫は、とてもやせていて栄養状態が悪く、おそらくテンちゃん1匹だけを産んだか、数匹産まれても死産だったと考えられている。

猫は野生動物のように獲物を捕まえて悠々と生きていける動物ではなく、野良猫は、元はと言えば、ほとんどが誰かが捨てた猫だったり、飼い主がうっかりしたすきに逃げ出したりした猫だという。野良猫になると猫同士のケンカで怪我を負ったり、人から虐待されたり、病気になったり、食べ物をみつけられなかったりして、そう簡単には生きられない。テンちゃんの場合、母猫自身が栄養失調で生きるのもままならない状態だったので、保護されなければ命を繋げられたかどうか分からない。

■保護主さんの猫に対する考え方に共鳴、3匹目の猫の里親になることに

 神奈川県に住む岡本さんは、黒猫のメルトくんと茶トラ猫のリアちゃん、2匹の保護猫を飼っている。インスタグラムに彼らの写真を掲載していて猫仲間ができ、猫の保護活動をしている人たちに出会った。

 「神奈川で保護活動をしている人なんですが、次々里親を募集している猫を掲載していて、前にこの公園にいなかったのに新しく増えた猫だとか、いつからうろうろしているとか、病気になった時の症状とか、どの猫のこともよく観察していて、本当に誠心誠意、猫のために尽くしている人なんです。薬の飲ませ方などもよく知っていて、教えてくれるのも良かった。3匹目の猫を飼えるのか考えましたが、家族もいいと言ってくれたので、その人のインスタグラムで見つけたテンを譲渡してもらいました」

■初対面だけど、「なぜて」と要求する大胆な子猫

 岡本さんに初めて会ったテンちゃん。いきなり「なぜて」と仰向けになってお腹を見せた。

「先住の2匹が人見知りだったので本当にびっくりしました。テンは、めったに鳴かないのですが、行動は大胆なんです。家に来た時もまったく物怖じせず、どこにでも行くし、食べ物への執着心もすごくて、他の猫の倍量食べるんです。私が食卓に座ると、テーブルの上に乗って『何かちょうだい』と要求することも。食パンが置いてあったらくしゃくしゃにしたり、パイのお菓子を粉々にしたり、とにっかく目が離せませんでした」

 それだけではない。爪切りやワインのコルクなどをおもちゃにして、ホッケーのようにして遊ぶので、冷蔵庫や家具と壁の隙間、玄関などを探しまわったこともあるという。

「手当たり次第何でもおもちゃにするという感じでした。でも、2018年2月、テンが1歳になる前に不妊手術をしたら、ピタッと治まったんです」

 それでもテンちゃんは、自分の3倍くらい体重がある、お兄さん猫のメルトくんにじゃれつくこともあり、お姉さん猫のリアちゃんを追いかけて遊ぶこともある。もうすぐ2歳、さすがに人が困るようないたずらはしなくなったが、お転婆っぷりは相変わらず健在だ。

(まいどなニュース特約・渡辺陽)

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