お見事!「平成→令和」トリックアート 姫路の針金造形作家に大注目

 針金で作られた「平成」の文字。少しずつ見る角度を変えていくと、あら不思議、「令和」に変わったではありませんか。4月1日の新元号発表からわずか1時間半後、そんなトリックアートをTwitterに投稿して話題をさらったつたもとだゐきさん(@tdaiki1216)。“本業”は神戸芸術工科大学大学院(神戸市西区)でフィギュア・彫刻を学ぶ大学院生で、針金を自在に組み合わせて立体作品を作る「針金造形作家」としても活動している。改元まで残すところあと1週間。改めて制作の動機などを聞いた。

 本名は蔦本大樹さん。姫路市在住の23歳だ。ソフトテニス部だった中学生時代、なぜか試合そっちのけでコートにあるフェンスの金網に興味を持ち、独学で針金細工を開始。100円ショップで手に入れた針金で、ドラゴンなどの立体物を作るようになった。

 今回Twitterで注目された「平成→令和」のトリックアートは、自宅で新元号発表の生中継を見ているうちに「自分が普段やっていることで記念になるような作品ができないか」と思い立ち、発表と同時に制作を開始。太さ0.9mmのカラーワイヤーを使い、90度の角度から見ると全く別の文字になるよう細工を施した。

 「片目をつぶりながら、両方の文字がきれいに見えるようひたすら微調整を重ねていく感じ。『令和』の画数が少なくて、比較的作りやすかったので助かりました」

 新元号発表の祝祭ムード冷めやらぬタイミングで投稿された蔦本さんの作品は大反響を巻き起こした。ネットメディアだけではなく、複数のテレビ局からも取材があり、情報番組などで取り上げられたという。「RTがあそこまで伸びる(4月23日時点で4万7千以上)とは思っていなかった」と蔦本さん。「ただ、ああいうトリックアートは実は専門じゃないんですよ…」。

 その「専門」というのが、先述した針金による立体造形だ。蔦本さんの代名詞的な作品の一つ「自在 撞木鮫(シュモクザメ)」は銅線と真鍮線で制作。メタリックな外観がどことなくスチームパンク的な世界観を彷彿させ、ただただかっこよく、そして美しい。しかもこれ、顎や体が動くのだという。どこまですごいんや。

 針金の魅力を広めるべく、今後も作家活動を続けていきたいという蔦本さん。「針金造形は分野としてまだ確立されておらず、作り方や作品のジャンルが人によって全然違うのが面白い。今回のトリックアートを機に、針金に興味を持つ人が増えてくれると嬉しい」と話している。(まいどなニュース・黒川裕生)

▼蔦本さんは、これまでの作品をTwitter上でポートフォリオとして公開している。https://twitter.com/i/moments/943498220537131008 

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