猫もいろんなことを覚えているの?「猫の心の動き」専門家に聞いた

どこにいくのかニャ?嫌な思い出と結びつくとキャリーケースを嫌いになることも…(photo_master3000/stock.adobe.com)
ネコだっていろんなことを学習してます(sheilaf2002/stock.adobe.com)
2枚

 私たち人間は、いい思い出や嫌な思い出など、いろんなことを記憶することができますが、猫はどうなのでしょうか。もしかしたら、あの小さな頭の中にいろんな記憶が刻まれているのかもしれません。京都大学で猫の心の動きを研究しているチーム「CAMP-NYAN(キャンプニャン)」の一員、高木佐保先生に伺いました。

  ◇  ◇

■猫の記憶力を調べてみると

 -猫にも記憶力があるのでしょうか。

 「猫に記憶力があるのかどうか、ある実験で調べてみると、猫にも記憶力があることが分かりました。1匹の猫にエサの入っているお皿AとB、食べられないものが入っているお皿、何も入っていないお皿、全部で4つのお皿を見せ、Aのお皿からエサを食べさせました。猫はBのお皿のエサも欲しがったのですが、飼い主さんが『食べてはいけない』と妨害し、いったんお皿を下げたんです。15分後、猫にBのお皿を見せると、猫はBのお皿にエサが入っていたことを覚えていて、Bのお皿へと向かっていきました。『このお皿には、エサが入っていた』と記憶しているのです」

(続けて)

 「エサだけでなく、人のこともよく覚えていて、数日間会っていなかった飼い主さんのことや数ヶ月離れていた家族のことも記憶していると考えられています」

■どんなことを覚えているの?

 -記憶にもさまざまな記憶がありますが、猫にはどんな記憶が残っているのでしょうか。

 「記憶には大きく分けて2種類の記憶があります。ひとつは、わたしたちが『昨日の朝、何を食べたの?』と聞かれたときに『ベーコンエッグと味噌汁』と思い出して答えられるように、意識しなくても覚えていられる記憶です。もうひとつは、積極的に覚える記憶、専門用語では『学習する』と呼ばれる記憶があります。学習による記憶は、ネコだけでなく、ヒトを含め多くの動物にみられるのですが、なんらかの出来事と、その出来事が起こった結果を結びつけて覚えているんです。

 (続けて)

 「たとえば、猫の場合、『美味しいエサが出てきて嬉しかった』とか、『キャリーケースに入れられたら、動物病院に連れて行かれて怖かった』とか『注射をされて痛かった』などといったことを記憶(学習)します」

■嫌な思い出はトラウマになることがある

 -いい思い出と嫌な思い出には、違いがあるのでしょうか。

 「猫に限らず、ヒトを含めた動物は、たった一度の嫌な思い出でも、深く脳裏に刻まれてしまうことがあります。一般に、嫌な思い出は生命が危機にさらされることと結びついているため、いい思い出に比べて、早く記憶してしまうと考えられています。猫の場合、虐待されるなど、非常に強烈な嫌な経験をすると、それが人間でいうトラウマになってしまうこともあるんです。逆に、人と一緒 に楽しい思い出を共有すると、その人に対して愛着を持ってくれます。人も楽しくて猫も楽しい、そんな時間をたくさん持てるといいですね」(神戸新聞特約記者・渡辺陽)

取材協力:京都大学 CAMP-NYAN コンパニオンアニマルの心の動きを心理学の行動観察の手法を用いて調査・研究する「京都大学CAMP(コンパニオンアニマルマインドプロジェクト)」。CAMP-NYANは、猫に特化したチームです。

https://www.bun.kyoto-u.ac.jp/psy/camp2017/information.html

◆渡辺陽(わたなべ・よう)大阪芸術大学文芸学科卒業。「難しいことを分かりやすく」伝える医療ライター。医学ジャーナリスト協会会員。フェースブック(https://www.facebook.com/writer.youwatanabe)

関連ニュース

ライフ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング

    話題の写真ランキング

    リアルタイムランキング

    注目トピックス