小4虐待死、父親は傷害致死罪に加え脅迫罪や名誉棄損罪の可能性も 小川泰平氏が指摘

 千葉県野田市の小学4年、栗原心愛(みあ)さん(10)が自宅で死亡した事件で、傷害容疑で逮捕された父親の栗原勇一郎容疑者(41)の罪状について、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は8日、デイリースポーツの取材に対し、想定される傷害致死罪に加え、市教委を「恫喝(どうかつ)」したことによる強要罪や脅迫罪なども適用される可能性を新たな切り口として示した。

 小川氏は「心愛さんの詳しい死因がまだ分からず、父親本人は殺意を否認している。暴力を加えながら『ケガさせようとは思っていない』とすら言っている。殺意の立証が大きなハードルとなり、殺人罪の適用は難しいかもしれないが、千葉県警は傷害致死罪も視野にいれているはず」と指摘した。

 また、栗原容疑者が「しつけ」と称して心愛さんを夜中も眠らせずに立たせていたことも明らかになった。小川氏は「立たせていたことも暴行罪や傷害罪になります」と補足した。栗原容疑者の日常化した暴力の延長で死に至らしめたとして、傷害致死罪が適用される可能性が強そうだ。

 さらに、食事を与えていなかったということから保護責任者遺棄罪は適用されないのか。小川氏は「ご遺体を解剖した時に胃の中に内容物がなかったということですが、捜査関係者によるとと、何日間も食べさせなかったようなやせ方ではなかったらしい。今後、健康診断などで心愛さんを診た医師の見解なども含めて詳しく調べられるので、保護責任者遺棄罪も視野に入っている」と解説した。

 一方で、小川氏は「栗原容疑者が市教委に怒鳴り込んで恫喝まがいのことをしていることから、強要罪、脅迫罪、名誉棄損罪、威力業務妨害罪などが付け加えられる可能性もある」と指摘した。市教委の課長は「大きな声で恫喝され、威圧的な態度に恐怖を感じ、強い要求に屈してしまった」と、心愛さんが父親の暴力を訴えたアンケートのコピーを栗原容疑者に渡した理由として挙げている。

 栗原容疑者は「家族を引き離された気持ちが分かるか。名誉棄損で訴えるぞ」と大声を出していたというが、対応した市教委や学校側への名誉棄損罪に問われることもありうる。自分の吐いた「名誉棄損」という言葉が自分に帰ってくるという、まさに“ブーメラン”になりそうだ。

 栗原容疑者はこうした容疑で再逮捕されながら、詳しい取り調べが続くことになる。

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