カジノホテル大手が天神祭でPR大作戦 IR整備法成立“大阪カジノ”の予想図は?

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)大手のMGMリゾーツ・インターナショナルの日本法人が今夏、大阪の天神祭に初協賛した。クライマックスとなる25日の「船渡御」にも参加するなど“PR大作戦”の本気度は相当のもの。顔を青く塗ったラスベガスのパフォーマンス集団「ブルーマン」もショーを演じ、MGMのPRに一役買った。

 一気に慌ただしくなってきた。IR整備法の成立を受け、最有力候補地として注目を浴びる水都・大阪。その夏を彩る「天神祭」に、世界屈指の大手IR事業者「MGM」の会長兼最高経営責任者(CEO)が浴衣姿で直々に顔を出し、笑顔を振りまいた。

 「私たちは大阪のことをもっと知りたくて、そしてMGMのことをもっと知ってほしくて、このお祭りに参加させてもらった。1000年以上も続いている伝統の重みを肌で感じ、改めて大阪の文化に貢献することが大切だと思った」

 出発前の奉拝船には、ラスベガスから呼び寄せたエンターテインメント集団「ブルーマン」が特別ゲストとして乗船。独特のパフォーマンスを繰り広げ、ムードを盛り上げた。船には抽選で招待された人々をはじめ、大阪の経済界などから80人が乗り、5000発の花火と2時間半のクルージングを楽しんだ。関係者によれば費用は軽く1000万円超。だがMGMのジェームス・ムーレンCEOは“大阪愛”を強調した。

 「私はこの3年で30回来日している。東京、京都、福島も訪ねたが、大阪は空港、新幹線、JR線によるアクセスが良く、経済規模も大きい。環境面でも大阪が一番。ライバルは手ごわいが、何とか大阪で活動する権利を得たい」

 自信も少なからずあるようだ。MGMは現在、28のリゾート施設を保有し、その中には「ベラージオ」「MGMグランド」「ザ・ミラージュ」などの有名ブランドもある。「何より私たちにはラスベガスで成功したノウハウがある」とし、初の都市型リゾート「シティ・センター」を例に挙げた。これはリゾート施設からホテル、会議施設、レストラン、小売店を備えた複合施設で世界最大級にして世界最先端のもの。どうやら“大阪カジノ”もこれをイメージしているようだ。

 「施設は3年あれば建てられると思うが、IRは決してカジノだけではない。宿泊施設や会議場はもちろん、文化、エンターテインメントなど総合的に関西を繁栄させるIRをつくりたい」

 早ければ2023年オープン見込み。MGMは引き続き1兆円規模の投資を予定しており、この9月には大阪・中之島に営業拠点を設けるプランもある。

 最後にジェームスが尋ねてきた。「大阪で妻と一緒に長期滞在できるマンションを探している。どこかいいところがあれば、教えてほしい」。私は自分が住む“庶民の町”玉造をプッシュしたが、まさか…。(デイリースポーツ特約記者・山本智行)

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