盟友のカブキ語った マサ斎藤さんがフロリダ時代に編み出した必殺技の秘話

40年前に米国でベルトを奪取したマサ斎藤さんとの写真を手に思い出を語るザ・グレート・カブキ=都内
1978年、NWAのベルトを肩に記念撮影した(左から)マサ斎藤さん、タイガー服部さん、ザ・グレート・カブキ(カブキ提供)
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 一時代を築いたプロレスラーのマサ斎藤さん(本名・斎藤昌典、享年75)の死去が報じられてから一夜明けた17日、盟友のザ・グレート・カブキ(69)が都内でデイリースポーツの取材に応じ、タッグチームを組んだ米フロリダ遠征時代のエピソードを明かした。

 カブキはミスター・サトとして、ミスター・サイトー(斎藤さん)とタッグチームを組み、1978年3月にペドロ・モラレス&ロッキー・ジョンソン(ザ・ロックの父)組からNWAフロリダ・タッグ王座を奪取。ブリスコ兄弟チームともタイトルを争った。

 ちょうど40年前の出来事。2人の相性は抜群だった。斎藤さんは近年、「バックドロップにひねりを加えるようになったのは、フロリダで(カブキから)教えてもらった」と証言していたが、カブキは「いや、それはね…」と真相を語った。

 「もともとマサさんはひねりを加える技を持っていたんだけど、外国人レスラーは受け身が取れないのでやらなかったらしいんですよ。それが、フロリダで初めてその技を出したんで『マサさん、あれ、いいよ』と言ったら、マサさんは『(相手が)受け身を取れないとやばいんじゃないかな?』と。『そんなの関係ない。やっちゃえ、やっちゃえ』と言って、試合で出すようになりました」

 さらに、明治大の後輩である、後の名レフェリー・タイガー服部との裏話もあった。

 「服部さんがニューヨークからフロリダに『斎藤先輩!』とマサさんを訪ねてきたんですよ。『おお、服部か。何やってんだ、おまえ』『ニューヨークでアマチュアレスリングを教えています』『もうからないだろう。きょうから、マネジャーやれ』ってことで、服部さんはプロレス業界に入ってきたんです」

 そのエピソードを披露したカブキの店「BIG DADDY かぶき うぃず ふぁみりぃ」(東京・小石川)には、服部さんをはさんでNWAフロリダタッグ王座ベルトを巻いた2人の写真が今も大切に飾られている。

 受け身の取れない外国人レスラー、そして異国の地で進路を模索していた大学の後輩…。そんな彼らを気遣っていた斎藤さん。カブキは「最後にお会いしたのは7~8年前でした。こんなに早く逝くとは思わなかったですよ。いい人だったです」と故人を悼んだ。

 年齢は6歳下だが、斎藤さんがレスリング日本代表で東京五輪に出場した64年に高千穂明久として日本プロレスでデビューしていたカブキ。プロレス界では翌年入門した斎藤さんの1年先輩となるため、兄貴分というより「同士です」という。「マサさんと明大時代からの同期だったサンダー杉山さん、同年代のラッシャー木村さん…。みんないなくなってしまった」と時の流れに思いをはせた。

(デイリースポーツ・北村泰介)

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