6・12米朝首脳会談 シンガポールで浮上するホテル問題…日本人観光客には影響なし

 史上初となる6月12日の米朝首脳会談を前に、開催地であるシンガポールでの“ホテル問題”が浮上している。米国は日本時間6日、会談の会場がセントーサ島のカペラホテルになると明かしたが、外貨不足に悩む北朝鮮は、金正恩(キム・ジョンウン)委員長らが滞在するホテルの高額な宿泊費を負担できず、“肩代わり”を求めていると報じられている。

 北朝鮮側が希望していると報じられたホテルのスイートルームは1泊約60万円とみられている。米国側は既に北朝鮮代表団の宿泊費は支払わないと表明しており、開催地である第3国のシンガポールが候補となる。また、昨年のノーベル平和賞を受賞した国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」も、「核兵器廃絶に貢献するためなら」と、北朝鮮の宿泊費を負担する意志をツイッターで表明しているが、直前まで流動的だ。

 このように一国の首脳が“ホテル難民”となる危機に直面している一方、人気の高い観光地であるシンガポールではこの時期、日本人観光客にどのような影響が出るのか。両国の首脳、スタッフ、さらに報道陣が殺到し、ホテルの予約が難しくなったり、宿泊費が高騰することはあるのだろうか。国内の旅行代理店に問い合わせた。

 JTB広報室はデイリースポーツの取材に対し、「特に影響は出ていません。お客様は開催が決まるもっと前から旅行を決められており、直前になって行くという方はあまりおられないですから」と回答。さらに「日本では6月に祝日がないので、連休が取りにくく、一般的に海外旅行は少ない傾向にあります」と指摘した。

 H.I.S広報室も「影響はない」とし、今回の報道によって“シンガポールのホテル宿泊費は高い”というイメージが広がっていることについて、「通常のホテルではそれほどの高額ではありません」と説明。一般の旅行客は“庶民価格”のホテルを利用するため、VIPたちの動向とバッティングする可能性はなさそうだ。(デイリースポーツ・北村泰介)

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