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山口の現役アイドル3人 カヌースラローム競技で東京五輪目指し奮闘中(下)

「きよきさくらのごとく。」(右から)梶井さん、松山さん、木藤さん
懸命に練習する木藤さん
専用劇場で練習する「きよきさくらのごとく。」のメンバー=防府市
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 山口県防府市を中心に活動している現役アイドル3人が、カヌースラローム競技で「2020年の東京五輪出場を目指します」と表明し、注目を集めている。ステージで躍動する彼女たちの姿を見聞きした同県カヌー協会が「競技選手として育成したい」と打診。彼女たちも快諾して挑戦することに。いま、アイドル活動とカヌーの練習の両立に奮闘している。彼女たちの姿を(上)(下)で。以下は(下)。

 4月14日、専用劇場がある同県防府市から車で約1時間の所にある萩市の阿武川特設カヌー練習場を訪ねた。そこには、ヘルメットをかぶり、慣れた手つきでカヌーを操る梶井さんと木藤さんの姿があった。

 吉村さんとともに彼女たちのコーチを務める高橋怜也選手(32)の指導のもと、何度も急流を下る2人。パドルを持つ手のひらを見せてもらうと、2人ともマメだらけだ。この日、梶井さんは急流でバランスを崩して脱艇し、ずぶぬれになった。しかし、どこが悪かったのか、高橋さんからアドバイスをもらうと「もう1本、行きます!」と元気よく答え、再び上流へ戻っていった。

 松山さんは2月後半、練習中に脱艇して以来、水が怖くなった。「そのときのことが夢にも出てきて、水に入ろうと思っても入れないんです。自分を責めると余計にできなくなってしまいそうなので、いまは少し時間をいただいて、陸から2人を見守っています」。もちろん諦めたわけではなく、コーチから渡された筋トレメニューを毎日こなし、カヌー練習日には足腰を鍛えるため10キロのランニングを続けている。

 午後4時、練習が終わると、3人はすぐに車で専用劇場へ移動。翌15日は「きよきさくらのごとく。」結成後、初めての定期ライブが控えていた。メンバー全員で約1時間、デビュー曲「ファーストキャンバス」の振り付けやポジショニングの確認などをみっちり行った。15日、劇場には35名のファンが集まり、ステージはおおいに盛り上がった。

 梶井さんと木藤さんは、「目下のところ、足りないのは時間です。これまで平日はボイストレーニング、ダンスレッスンと筋トレ。週末はカヌーの練習をしてきましたが、カヌーの水上練習をする時間がもっとほしい」と口を揃える。

 吉村さんは「最初は本当にできるかなと心配になったこともありましたが、練習を始めてみると飲み込みが早く、バランス感覚もいいし、3人とも筋がいいと感じています。これからは日も長くなり、阿武川の練習場にはナイター設備もあるので、もっと練習量を増やしていくつもりです」と話す。今後は「ジャパンカップ(国内大会)で試合経験を積みながら、まずは秋の国体と、毎年4月に開催されるNHK杯出場を目標に頑張ってほしい」と期待を込める。

 「オリンピックはそんなに甘いもんじゃない」「二兎を追う者は一兎も得ずにならないか」。そういった声が寄せられたこともあったという。「K’s Group 山口活性会」代表でプロデューサーの武本浩一さん(47)は「本気じゃなかったら、凍てつく真冬の川に落ちてまで練習したりしません。今後も彼女たちの要望をよく聞きながら、できるかぎりのサポートをしていきたい」と話している。

 3人を代表して梶井さんがいう。「どこまでできるかは、正直やってみないとわからないけれど、目標に向かってこれからも精一杯努力していきたい。私たちの姿を見て頂いた方々が、『勇気をもらった』『君たちのようにぼくも頑張るよ』と声をかけてくれるようなアイドルになれたら」。彼女たちのチャレンジをこれからも見守っていきたい。(デイリースポーツ特約記者 西松宏)

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