穴場ランク1位に北千住の不思議…“オヤジの街”が一変 若者からも支持

“穴場”とは思えないターミナル駅としての外観を誇る北千住駅。だが駅裏には昭和の風情が色濃く残る
ターミナル駅裏には居酒屋が軒を連ねる
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 「北千住(きたせんじゅ)」という街に、どんなイメージを持つだろう。「東京の下町」「足立区の首都」「オヤジの街」…。

 リクルート住まいカンパニーが2月末に発表した「みんなが選んだ住みたい街ランキング2018 関東版」のうち、「穴場だと思う街」という項目では北千住が3年連続で1位に輝いた。調査対象は関東1都4県に在住する20~40代の男女7000人。中高年世代だけでなく、若者にも支持されるこの街はどう変わったのか。“北千住の不思議”を探った。

 総合ランキングでは1位が横浜、2位が恵比寿、3位が吉祥寺。北千住は23位だが“穴場王者”の座は不動だった。リクルート住まいカンパニーによると、交通の利便性、商業施設の充実、大学の移転、家賃の安さという要因があるという。

 北千住にはJR常磐線、東京メトロ日比谷線&千代田線、東武スカイツリーライン、つくばエクスプレス線の5線が乗り入れる。駅前の再開発によって新しい商業施設が誕生し、女性がショッピングを楽しむ環境も充実。さらに大学キャンパスの誘致によって、東京電機大、東京芸大など5大学が集まり、学生の流入によって、おしゃれなカフェやアート系ギャラリーなども生まれた。家賃相場もシングル向け5・1万円、ファミリー向け7・9万円と穴場ランク上位の中でも最安値だ。

 では“オヤジの街”は駆逐されてしまったのかというと、これもまた健在なのだ。“ハイソ”な店が入ったターミナル駅裏には昭和の風情が色濃く漂う路地がある。通称・飲み屋横丁だ。今年で創業45年となる立ち飲みの串カツ店に入った。

 この店のカウンターには灰皿がない。時代の流れでこういう店まで禁煙になったのかと思いきや、隣の男性がうまそうに紫煙をくゆらせ、灰を床に落とした。カウンターにソースの容器(2度漬けアカン!の関西流)があるため、灰皿を置かず、灰は床に落とすという“不文律”はまだ生きていた。「再開発」と「昭和」が共存している。そんなことを実感した瞬間だった。

 ちなみに穴場2位も3年連続の赤羽。同社は「庶民的な飲み屋が健在というのも魅力の1つ」と指摘する。「のん兵衛の聖地」と称される昔ながらの飲み屋街に再開発と交通の便。この“今昔共存”のバランスが「穴場」という評価の決め手になっているようだ。(デイリースポーツ・北村泰介)

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