「北中米W杯・1回戦、日本代表1-2ブラジル代表」(29日、ヒューストン)
敗戦の責任を全て背負うかのように泣き崩れ、ピッチにしゃがみ込んだ。ブラジルの猛攻を耐え続け、迎えた後半追加タイム。MF田中碧(27)=リーズ=は自陣ペナルティーエリア左でボールを奪ったが、相手の鋭い寄せにキープできずにすぐに失う。そして、そのまま決勝点につながってしまった。
後半終了まで残り約1分となったところでの痛恨のボールロスト。主将のDF板倉は「彼のミスは全く関係ない。チームとして負けた。彼がいなかったらここまでこられなかった」とかばい、DF長友は背中に手を添えて声をかけ、森保監督は円陣後にそばを離れずに励ます。同じイングランド・プレミアリーグでプレーするブラジルのFWクニャ(マンチェスター・ユナイテッド)も駆け寄って声をかけたが、田中は一度も顔を上げられなかった。
22年カタール大会から2大会連続の出場。川崎市立鷺沼小、さぎぬまSCをともに通った幼なじみの三笘薫(ブライトン)が負傷でメンバー外となり、背番号「7」を継承して今回のW杯に臨んだ。中盤からの正確なパスで何度も攻撃の起点を作るなど、1次リーグから大活躍。この日も後半33分から出場し、強度高い守備でチームを支えた。しかしギアを上げた王国の気迫に押された最終盤に悪夢が待っていた。
号泣してピッチを離れた田中。取材エリアには協会スタッフに抱えられながら姿を見せ、そのまま無言で会場を後にした。