森保ジャパンに激震が走った。日本サッカー協会は11日、W杯北中米3カ国大会に臨む日本代表のMF遠藤航(33)=リバプール=が、けがのためチームを離脱すると発表。代わりにMF町野修斗(26)=ボルシアMG=が追加招集された。新主将にはDF板倉滉(29)=アヤックス=が就任する。遠藤は自身のSNSで代表引退を電撃表明した。14日(日本時間15日)の1次リーグF組・オランダとの初戦が目前に迫る中、チームは大きく揺れ動いた。
冒頭の公開練習で異変は起きた。「遠藤がいない」。報道陣がざわつく中、日本協会関係者から山本昌邦技術委員長のブリーフィング予定が通達され、現場は重苦しい空気が漂った。その後、遠藤がこの日の朝、チームから離脱したことが発表された。
山本委員長は涙ぐみながら主将のコメントを代読した。「みんなが最高の景色を残してくれることを願っています」
遠藤は2月に左足甲にある靱帯(じんたい)を切る重傷を負い、懸命にリハビリを重ね、5月31日のアイスランド戦で復帰。だが、同試合で左足の同箇所が「リバウンド」し、メキシコ入り後は別メニュー調整が続いた。国際サッカー連盟(FIFA)の規定では、負傷選手を入れ替えられるのは初戦の24時間前まで。最終的に森保監督がメディカルスタッフの報告を受け、10日に苦渋の決断を下した。
遠藤はその後、自身のX(旧ツイッター)を更新。代表からの離脱、そして「これからは1人のファンとして日本代表を応援していきます」と、今活動をもっての代表引退を電撃表明した。
カタールW杯後、主将に就任し、チームに“W杯優勝”の目標を植え付けた。自身も30歳にして世界最高峰のイングランド・プレミアリーグの強豪クラブにステップアップ。集大成として臨んでいただけにショックは計り知れない。
父・周作さんは「航」と名付けた理由をこう明かす。「僕の実家の目の前が太平洋で。水平線から太陽が登ってきた姿を見て、ひらめいたのが『航』だったんです」。水平線の先にある「最高の景色」を誰よりも信じてきた主将は、その舞台を仲間たちに託した。
◆過去のW杯選手入れ替え W杯では、過去にも選出された日本代表選手が負傷で入れ替わった例がある。06年ドイツ大会では左太ももを痛めた田中誠が離脱し、茂庭照幸が追加招集された。茂庭は休養先のハワイから急きょ帰国し、ドイツへと向かった。22年カタール大会は中山雄太に代わり、町野修斗が呼ばれた。中山はW杯メンバー発表の翌日に所属クラブの試合でアキレス腱(けん)に重傷を負った。