“奇跡請負人”西野監督「見上げた空の色は忘れるな」充足感と悔しさにじませ退任

 16強進出を果たしたサッカーW杯ロシア大会の激闘を終えた日本代表が5日、成田空港着のチャーター機で帰国した。成田市内で行った会見には日本サッカー協会の田嶋幸三会長(60)、西野朗監督(63)、主将のMF長谷部誠(34)=E・フランクフルト=が出席。田嶋会長が西野監督について任期を終える7月末で退任することを明かした。

 短くも濃密な戦いを終えた西野監督は、充足感と共に悔しさをにじませた。それは16強敗退後、選手に伝えた言葉に集約されている。「ベルギー戦が終わった後に倒れ込んで感じた芝生の感触、見上げた空の色は忘れるなと。ベンチに座っていた選手は居心地の悪いお尻の感触を忘れるなと」。今回果たせなかった8強入りに向けたゲキだった。

 4月に異例の形で監督に就任し、実質的に指揮を執ったのは5月21日の最終調整合宿から。大会前に吹き荒れた逆風の中でも、いい意味で“裏切る”準備を整えた。「前監督の財産に、さらに本大会で自分たちにできることを探りながら素晴らしいサッカーを披露してくれた。W杯での1ポイント、1ゴール、1プレーというのは本当に厳しいということを私自身も初めての経験で知らされた」。その喜びも悔恨も、あしたの日本サッカーの財産になった。

 02年、10年大会に続く16強入りを果たしたが、「8年周期…このスパンではだめだと思う」と西野監督。4年後に向けてはこの悔しさを引き継ぐ現代表だけでなく、若い萌芽(ほうが)の存在にも言及した。「日本のU-20、U-17は本当に世界に渡り合える力を持っている。カタール大会に向けて、スケールの大きいダイナミックかつ日本らしいサッカーができる」。着実な手応えを残して“奇跡請負人”は帰途へ就いた。

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