メッシまた不発 アルゼンチン自力突破は消滅…1次リーグ敗退の危機

 「ロシアW杯・D組、アルゼンチン0-3クロアチア」(21日、ニジニーノブゴロド)

 1次リーグD組で前回大会準優勝のアルゼンチンが、クロアチアに0-3で完敗した。1分け1敗の勝ち点1で自力での突破が消え、02年日韓大会以来16年ぶりに決勝トーナメント進出を逃すピンチに陥った。クロアチアは2連勝で勝ち点6とし、1試合を残して3位になった98年フランス大会以来20年ぶりに決勝トーナメント進出。C組ではフランスがペルーを1-0で下し、2連勝で2大会連続のベスト16進出。ペルーは敗退が決まった。デンマークはオーストラリアと1-1で引き分けた。

 前回準優勝のアルゼンチンが瀬戸際に追い込まれた。クロアチアから1点も奪えず、0-3で完敗した。頼みのFWメッシの攻撃は、またも空転。初戦でPKを失敗したエースの目はうつろだった。得点がないまま1次リーグ敗退の危機にさらされた。

 4バックから3バックに布陣変更し、メッシは初戦のトップ下から3トップの右に移った。だが、ボールはほとんどメッシに届かない。クロアチアの守りを崩せず、シュートはわずか1本だけにとどまった。

 チームは大失態で先制点を献上した。後半立ち上がり、FWアグエロが惜しいシュートを放った直後だった。不安定なところを見せていたGKカバジェロがバックパスの処理を誤り、中途半端に浮かせてしまったボールを相手のMFレビッチに蹴り込まれた。

 いいところなく敗れ、無言で会場を後にしたメッシ。MFマスケラーノが「試合を振り返るのは難しい」と言葉を絞り出せば、サンパオリ監督は「チームがうまく機能せず、メッシのプレーが制限されてしまった」と顔をこわばらせた。

 「メッシ依存」が前提のチームだけに、エースの出来は浮沈に直結する。32年ぶりの優勝どころか、自力突破が消え、ベスト16入りを逃せば16年ぶりの屈辱にまみれる。

 サンパオリ監督は「国民の期待に応えられず、つらい」と漏らした。残すは26日のナイジェリア戦のみ。過去2度の優勝を残る強豪は、敗退危機からはい上がれるか。

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