イランが20年ぶり白星 ロスタイム劇勝!FKでオウンゴール誘発
「ロシアW杯・B組、モロッコ0-1イラン」(15日、サンクトペテルブルク)
B組のイランが後半ロスタイムのオウンゴールによる決勝点でモロッコを1-0で撃破した。アジア勢がW杯で勝ったのは、2010年南アフリカ大会の1次リーグで日本がデンマークを破って以来。イランはW杯20年ぶりの勝利。A組の古豪ウルグアイはエジプトを1-0で振り切り、白星発進を決めた。
イランに20年ぶりの勝利を呼び込んだのはベテランの左足だった。後半ロスタイム、左タッチライン近くからの直接FKでオウンゴールを誘ったDFハジサフィは「今までのサッカー人生の中でも最高の勝利の一つになった」と感慨に浸った。
モロッコには不運だったが、クロスが見事だった。ゴール前に迫る弾道が鋭く強かったため、クリアに飛び込んだモロッコ選手のヘディングが球の勢いに押されてゴールに吸い込まれた。
長年、イランの屋台骨を支えてきた28歳。代表戦出場は100試合に近い。今大会のアジア予選ではチーム最長の出場時間で、W杯切符獲得の原動力になった。この日は途中で退いたショジャエイに代わって主将の腕章を巻き「それまで以上の責任を感じた」。気迫を乗せたFKで最高のエンディングを演出した。
GKベイランバンドは194センチの長身を最大限に生かしてゴール隅へのシュートをはじき、MFエブラヒミは相手の速攻を巧みに読んで食い止めた。アジア勢にも「個」の強さがあることを証明する大きな1勝だった。