神戸V 大久保嘉人「もっとみんなで言い合わんと強くならんよ」 勝負への執念を一番の武器に   

 「明治安田生命J1、神戸2-1名古屋」(25日、ノエビアスタジアム神戸)

 神戸が名古屋を2-1で退けて勝ち点68とし、連覇を目指した2位横浜Mに4差をつけ、最終節を残してリーグ初優勝を果たした。クラブ設立から29年目での悲願達成。デイリースポーツの歴代担当記者がエピソードで振り返る。

  ◇  ◇

 私がチームを追っていた頃は、リーグ優勝は目標ですらなかった。J1に復帰し、C大阪からFW大久保嘉人を獲得するなど大型補強を敢行した07年。まだ発展途上で、クラブ史上初の1桁順位を目指して戦っていた。大久保はよく「もっとみんなで言い合わんと強くならんよ」と意識改革を訴えたものだ。

 08年に加入した韓国代表MF金南一も同じだった。権通訳と3人で鉄板焼き店を訪れた時のことだ。滞在2時間半の大半はチーム談議。「ヴィッセルが強くなるには何が必要だと思う?」と聞かれ、柄にもなく技術や戦術的な回答に終始した私に、「厳しさだ。このチームを戦える集団にしたい」などと熱い話を連発。食事の席はオフレコが個人的なルールだったが、「いつか神戸が強くなったら、きょうの話を書かせてください」と頼んだほどだ。

 2人が植え付けようとした勝負への執念、戦う姿勢は徐々に浸透し、明確な色がなかったチームの一番の武器になった。当時の主力選手だった吉田孝行監督、北本久仁衛コーチの下で優勝した今、そう感じずにはいられない。(2007、08年担当・大西修平)

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