鳥栖・金明輝前監督【認定された暴力行為】前髪の長さに立腹し平手打ちなど

 Jリーグは30日、オンライン会見を行い、金明輝前監督(40)が所属選手などに対して、パワーハラスメントを行っていたと認定した。Jリーグの調査により、金前監督は鳥栖U-18の監督を務めていた2016年から、U-18やトップチームの選手、スタッフに対し、暴力行為や暴言によるパワーハラスメントを繰り返してことを確認した。

 トップチーム監督時は次のような有形力の行使があったことが事実認定された。

 【1】21年6月26日のゲーム形式の練習において、ある選手が後方からのチャージで相手を転倒させた。この行為を見ていた金氏は、選手らに対し、「後ろからのファウルはするな」と指導していたこともあったものと思われるが、「お前がやったことをやってやろうか」などと言いつつ、当該選手の背中を強く押して、その襟首をつかみ、ユニホームを引っ張りながら、当該選手の背後から、右足で当該選手の右足首を右側から払って転倒させた(足払い)。

 【2】20年1月の練習時、ある選手のパスが浮いているとして、「お前のパスはこうなんや」などと言って、徐々に距離を詰めながら、相当に強くボールを蹴り、2、3回、選手にぶつけるといった行為に出た。

 【3】運転免許を取得していない若手選手に対して、(他の選手の自動車ではなく)自転車で練習場に通うよう命じていたところ、20年2、3月頃、違反したと判断した選手に対し、「おい」と胸ぐらをつかんだり、髪を引っ張ったり、足を強く蹴るなどした。

 ※編集注 他の選手の自動車で練習に来ると、帰宅時間もその選手の都合に左右されるため、自分自身の練習・調整のために時間を使えなくなる、という側面があると会見内で説明された。

 【4】20年3、4月頃に行われた練習試合で、腹痛のためパフォーマンスが悪く試合前半で交代した選手に対し、チームベンチ横で「お前できると言っておいてこれは何なんだ」と言って胸ぐらをつかみ、同選手の胸を突き飛ばした。これを見ていたチームスタッフが間に入り、「手を出すのはダメだ」と言って制止した。

 【5】20年夏ごろ、ある選手の前髪が長いことに立腹。同選手の前髪を握り、一発平手打ちした。

 【6】20年9、10月頃に行われた公式戦のハーフタイムで、ロッカールームに戻る途中の選手に対し、「もっと行かなきゃダメだろ」と言いながら、後ろから強く突き飛ばした。当該選手は倒れることはなかったものの、身体のバランスを崩した。

 【7】20年10月のアウェーの公式戦で、ハーフタイムのミーティング終了後、ある選手の胸ぐらをつかんでしっ責した。

 【8】21年、トレーナーのケアを受けていた選手の頭を平手ではたき、「ケアしてる場合ちゃうやろ」、「お前が冷やす権利あんのか」などと述べた。

 この他にもユース監督時代の暴力行為、トップチーム監督時やユース監督時の暴言などがあったことを、複数のチーム関係者が目撃。調査に対し、証言しており、事実認定された。

金前監督に対し、「公式試合への出場の資格停止8試合又は8試合に相当する期間の経過」と「けん責」の懲罰処分を決定したことを発表した。鳥栖に対しても「罰金300万円」と「けん責」処分を科した。

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