JリーグQ&A 新型コロナ感染拡大で再開は?試合数は?観客は?選手給与は?

 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、公式戦が中断しているサッカーのJリーグ。リーグを率いる村井満チェアマン(60)は、3日の時点で再開の見通しについて「白紙」という厳しい見方を示した。国内各地域で感染が拡大する現状では、全国各地で行われる公式戦再開へのハードルが高い。再開に向けて何が問題で、何をクリアすべきか。その内容をまとめた。

  ◇  ◇

 Q.J1は再開が早くとも6月にずれ込む見込みとなった。今季の全日程(34節、計306試合)をこなせるのか。

 A.かなり厳しい見通しになる。専門のプロジェクトチームを立ち上げて検討しているが、本来であれば東京五輪が開催される予定だった期間や、FIFAが定める国際Aマッチデー期間、昇格プレーオフを廃止にするなどの期間を使いながら、また最終節を後ろ倒しにすることなど工夫をこらして全日程消化を目指すことになる。

 Q.中断が続けばシーズンが不成立となる場合もあるのか。

 A.リーグ側は全てのクラブが同じ条件で試合をこなせるとは限らないと想定している。各クラブの代表者がそろう実行委員会では、全試合数の75%(230試合)、各クラブが50%の試合(17試合)を成立させればシーズン成立という案を検討しており、今後、正式に決まる見通しだ。リーグ側は少々いびつな形であっても、シーズン成立を目指している。

 Q.各クラブで消化試合が異なれば不公平が生じるが。

 A.村井チェアマンは「不公正、不公平があっても飲み込んで試合を続けていく」との基本方針を表明。代わりに今季は降格制度を廃止した。一方で「頑張る姿を奨励したい」とJ2、J3からの昇格は実施する。順位決定方法については勝ち点、勝率などが考えられるが、勝率は複雑な計算を伴うため分かりにくく、勝ち点についても試合数にばらつきが出ることもあり、是正措置が必要。今後も継続的に議論されていくことになる。

 Q.無観客であれば試合開催が可能なのではないか。

 A.3日の第5回新型コロナウイルス対策連絡会議後に、専門家から市中におけるまん延期であり、無観客でも多くの選手やスタッフがアウェー会場に移動を伴うことなどがリスクになると提言され、当初“最終手段”としていた無観客試合は困難との見解が示された。村井チェアマンも「考えが甘かった。社会的な責任ということも考えて慎重に判断をしていきたい」と検討していたプラン実行が厳しい状況であることを認めている。

 Q.試合数が減ることで選手の給与面への影響はあるのか。

 A.J1札幌の選手が総額1億円分の報酬返納を申し出たことが大きな話題となった。一般的に選手には基本給(年俸)に加えて出場試合数に応じた出場給、勝利試合に対して支払われる勝利給などが支給される。金額は各クラブで千差万別だが、数十万円単位が相場と言われており、全日程が消化できなければ当然減額となる。

 Q.Jリーグは放映権に関して、インターネット動画配信サービス「DAZN」と2017年から10年間、最大約2100億円の大型契約を結んでいる。Jリーグが開催されなければどうなるのか。

 A.海外リーグでは、中止や中断となった試合にDAZNが放映権料を支払わないと通告したと報じられたが、村井チェアマンは「我々との契約で修正の申し入れはありません」と報道を否定。契約内容は「守秘義務がある」と明かされていない。公式戦中断後は練習試合の放送などもしており、現時点では懸念はないとしている。

 Q.Jリーグの選手からも新型コロナウイルスの感染者が出た。実際に選手たちはどんな健康管理を行っているのか。

 A.選手および家族を含めたチーム関係者は、毎日決まった時間に検温を行う。37・5℃以上が2日間続いた選手はチームから離れ、リーグへ必ず報告する。PCR検査を受ける、陽性反応が出る、感染者の濃厚接触者となった選手も報告義務がある。また、手洗い、うがい、ロッカー室やシャワー室の時間差利用、人の距離を1・5~2メートル開けて濃厚接触を防ぐことを徹底している。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

サッカー最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    スコア速報

    ランキング(サッカー)

    話題の写真ランキング

    デイリーおすすめアイテム

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス