ハリル監督、大仁会長に不満ぶつけた
「東アジア杯、日本-韓国」(5日、武漢)
サッカーの東アジア杯初戦で北朝鮮に1-2で逆転負けした男子日本代表は一夜明けた3日、中国・武漢市内で5日の韓国戦に向けて約1時間半の練習を行った。合間にはバヒド・ハリルホジッチ監督(63)が、視察に訪れた日本協会の大仁邦弥会長(70)と緊急会談を行い、「日本サッカーの危機だ」と訴えかけた。ミーティングでは選手らに厳しい言葉を投げかけるなど、危機感をあらわにした。
ハリルホジッチ監督が、ゆっくりと大仁会長の下へ歩み寄った。炎天下で行われた緊急青空会談。指揮官はランニングする選手に見向きもせず、身ぶり手ぶりを交えながら必死の形相で訴えかけた。
「日本サッカーの危機だ!!やり方を変えないといけない。練習の質も上げないといけない。コンディションは良くなかったが、チャンスはつくっていた。フィジカルが強くない」
約10分間に及んだ会談で矢継ぎ早に繰り出された“ハリル節”。大仁会長は、じっと耳を傾けるしかなかった。
北朝鮮戦後の会見では「日本のフットボールに関わる責任ある人たちは、何が起こったのかを見ないといけない。これが日本の現状だ!!」と、苦言を呈したハリルホジッチ監督。抱える不満を早速、日本サッカー界のトップに直接ぶつけた形だが、それは指揮官に危機感が募っている証しだった。
練習前には選手に向かって「力を出さないといけない。誇りを見せないといけない。このままでは勝てずに帰ることになる。もっと走らないといけない」と叱咤(しった)。3戦全敗を“予言”する厳しい言葉を投げ掛け、奮起を促した。
中2日で迎える韓国戦。宿敵相手の敗戦に言い訳は許されない。ハリルホジッチ監督はメンバーの入れ替えを明言している。フィジカル以外の解決策を提示できるのか。その手腕が問われる。