遠藤弾!G大阪J2降格チーム初V王手

 「サッカー天皇杯・準決勝、G大阪1‐0鹿島」(29日、静岡)

 今季J1で17位に終わり、来季はJ2に降格するG大阪が、ナビスコ杯との2冠を狙った鹿島を1‐0で下し、3大会ぶりの制覇へ王手をかけた。前半23分、ショートCKからMF遠藤保仁(32)の3試合連続ゴールで先制。この1点を守り切った。柏はFW工藤壮人(22)の先制ヘッドによる得点を守り抜き、1‐0で4大会ぶりに決勝に進んだ。G大阪‐柏の決勝は、08年度大会の再現となった。

 緩やかな放物線を描いたボールが、ゴール右スミに吸い込まれる。降り注ぐ歓声の中、両手を高々と突き上げたのはMF遠藤だった。

 3試合連続ゴール。背番号7が止まらない。前半23分、左ショートCKからの右足クロスが鹿島GK曽ケ端の頭上を越え、そのままサイドネットを揺らした。「狙っていない。飛んだコースが良かったので途中から入るかもと思った」。欠場したMF明神に代わってキャプテンマークを巻き、トップ下でチーム最多4本のシュートを放った司令塔は、どこまで行っても普段通りだった。

 エースFWレアンドロを出場停止で欠くため、1トップにMF家長を起用。FW登録の選手が先発メンバーに1人もいない「ゼロトップ」で挑んだ。「中盤でボールを動かせれば」という松波監督の狙い通りに主導権を握った。家長は不慣れなポジションに「想像以上にできなかった」と不満顔だったが、前線で何度もスライディングを試みるなど気持ちのこもったプレーを見せた。

 守備も一変した。後半は鹿島に押し込まれ、終わってみれば19本のシュートを浴びた。それでも耐えて、10月10日の天皇杯3回戦・水戸戦以来の完封勝ち。1‐0の勝利は今季リーグ戦で一度もなかった。この日もボランチに入ったDF今野が守備に安定感をもたらし、指揮官も「代表にふさわしい選手」と手放しで褒めたたえた。

 13年元日。決勝の相手は柏に決まった。今季4戦して一度も勝ち星がない(1分け3敗)が、遠藤は「過去の成績は関係ない」と言い切った。J2に降格したシーズンに、天皇杯を制したチームは過去にない。今季限りで松波監督は退任。無冠のままでは終われない。最後の栄冠を「松波ガンバ」に‐。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

サッカー最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(サッカー)

    話題の写真ランキング

    デイリーおすすめアイテム

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス