崖っぷち神戸 田中退場で10人奮闘も

 「J1、柏1‐0神戸」(24日、柏)

 J1残留(15位)争いを展開する神戸は柏に0‐1で敗れて、15位。G大阪はFC東京と2‐2で引き分けて、16位。広島に1‐4で完敗したC大阪は14位に転落し、仙台を1‐0で下した17位の新潟の4チームが、最終節に残留をかけることになった。

 限界まで走った。それでも突きつけられた厳しい現実。神戸は勝てば残留が決まるはずが、一転して追いつめられた。「次は勝つしかないね」とFW大久保。降格圏までの勝ち点差は、わずかに1となった。

 先に行われたG大阪はドロー。残留決定のチャンスとなった一戦は、立ち上がりから歯車がかみ合わなかった。前半21分のDF伊野波の警告を皮切りに、両軍合わせて9枚のカードが乱れ飛んだ。前半37分にはMF田中が2度目の警告を受けて退場。1点を追う終了間際、途中出場のMF松村が好機を迎えたものの、シュートは無情にもゴール左へと外れた。

 残った10人はスタミナ度外視の運動量で攻守両面に奮闘したが、後半26分に痛恨の被弾。追いかける展開に「10人で懸命に崩そうとするのではなく、(MF野沢)タクのキックの精度を信じて、人数の不利が関係ないセットプレーを狙ったりするのも手だった」とMF橋本。90分を通して神戸が放ったシュートはわずかに4本。ひたむきさは出しながらも、したたかさはなかった。

 今は前を向くしかない。最終節(12月1日・ホームズ)は優勝した広島が相手だが「勝てれば何でもいい。こぼれ球をけり込んでも、オウンゴールでも。そういうサッカーをしないと」と大久保。極限状態の最終節。勝利の先に、生き残りの道があると信じる。

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