一翔、判定完勝V3!次は3階級制覇だ

 「WBA世界Lフライ級タイトルマッチ」(31日、ボディメーカーコロシアム)

 王者・井岡一翔(24)=井岡=がフェリックス・アルバラード(24)=ニカラグア=に3‐0の判定で完勝し、3度目の防衛を果たした。4戦連続KOこそ逃したが攻守に高い技術で圧倒し、2013年を満点締め。統一戦も視野に入れつつ悲願の3階級制覇を目指す、14年の一翔伝説ロードに弾みをつけた。

 文句なしの3‐0判定勝利に一翔は両手を高々と突き上げた。リング上では会場に駆けつけた阪神・西岡に感謝を述べ「ハッピーニューイヤー!」と絶叫。阪神の決めポーズ「グラティ」で会場を最後まで盛り上げた。

 4戦連続KOを逃し「仕留め切れなかった」と、悔しさをあらわにした。それでもKO率83%の最強挑戦者を一枚も二枚も上回った。距離を取る作戦もあったが強気の選択。「食っついた方が相手のパンチを殺せる」と、1回から接近戦に応じた。

 的確にボディー、顔面をとらえ、2回には相手の左目を腫らした。中盤は相手のパンチをことごとく空振りさせ、最終回も猛ラッシュ。あと一歩まで追い詰めた。

 絶対王者として君臨する責任が、一翔の進化し続ける理由だ。「チームKAZTOの俺が看板。王者は背負ってるものが違う」。その言葉を行動で示した出来事があった。

 昨年12月26日、一翔は練習後、高校の同級生で11日に東洋太平洋王座に挑む中谷の元へ動いた。「苦しい時こそ前に出ろ」。減量の苦しさもピークに達するころにもかかわらず、王者は20分も身ぶり手ぶりで諭し続けた。

 昨年12月中旬、テレビでイチロー(ヤンキース)のインタビューが放送された。偶然、一翔も父・一法会長も同じ番組を見ていた。「トップに立つ者は孤独。その中で常に上を目指している」と会長。一翔も言う。「緊張とプレッシャーを当たり前と思い、打ち勝つ者が王者」。試合前、親友の宮崎がKO負けした「ショック」も自らの拳で振り払った。

 大みそかを3年連続で制しV3防衛。「3階級を意識している。歴史の1ページに名を刻むよう14年の自分にしっかりつないだ」。次戦は14年、ゴールデンウイーク前後にも予定。父・一法会長は3階級制覇に加え、他団体との統一戦も視野に入れる。一翔伝説はまだこれからだ。

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