関西ボクシング界の新鋭・川渕一統 亡き父にささげるKO勝利 力士の兄は秋場所で三段目優勝「刺激になりました」
「ボクシング・8回戦」(5日、錦秀会住吉区民センター)
日本ミドル級8位の川渕一統(かずさ、20)=ABC=が、6回1分43秒KOでワンダーツォン(中国)を倒し、デビュー3連勝(3KO)を飾った。勝利のコールを受けると「特別な思いがあった」と、8月に肺の病気で52歳で亡くなった父・一男さんの遺影をリングで掲げた。
身長の低いワンの巧みな試合運びに少々手を焼いたが、6回に左ボディーアッパー一撃でダウンを奪い、再開後に右のボディーで仕留めた。「今日がちょうど四十九日。ただ勝つだけでなく、KOにこだわりました。一番に報告したい」と格闘技が大好きだったという父への思いを込めた。
大阪・興国高時代に選抜、インターハイをミドル級で制覇。大商大に進んだが、早くプロで活躍したい思いもあり、1年で中退してプロに転向した。兄2人は大相撲の力士(長兄は引退)。次兄の一意は9月場所で三段目優勝を果たしたばかり。「刺激になりました」と兄弟そろって父へささげる勝利となった。
これでデビューから3連勝。「階級を下げることも考えています。まずは日本王者が目標」と今後の目標を掲げた。




