中谷潤人、井上尚弥の完封劇は想定内も脱帽「全てでトップの選手、さすが」来春対戦へSバンタム級転向を正式発表「5つのベルト狙う」
ボクシングWBC、IBF世界バンタム級統一王者の中谷潤人(27)=M・T=が18日、神奈川県相模原市の所属ジムで記者会見を行い、今月中に両王座を返上してスーパーバンタム級に転向することを正式表明した。来年5月には4団体統一世界スーパーバンタム級王者・井上尚弥(32)=大橋=とのドリームマッチも計画されている中、次戦は同級ノンタイトル戦に臨む見通しだという。「スーパーバンタム級で5つのベルトを取りにいく。強いと言われている井上選手がいるのもすごくモチベーションだし、スーパーバンタム級でいいパフォーマンスを出せる感覚が大きくなった。(井上は)4団体とリング(認定)王者なので、狙うべきはそこだと気持ちは切り替えている。そのためには何が必要かを自問自答して成長していくしかない」と決意を込めた。
いよいよ井上と同じ階級に上がり、夢の頂上決戦も見据えた準備に取りかかる。14日に名古屋市で行われた井上とムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)の防衛戦は現地で視察。井上が難敵を完封したが、中谷は「引き出しがすごく多彩な井上選手なので、そこを上回っていかないと勝利できない。(視察して)ワクワクした。(自分が)成長できる幅が広がった。一つじゃなく、いくつも(戦い方の)引き出しを持って、その引き出しも上質なものにしていきたい」と発奮した様子で語った。
この試合で井上は無理に倒しにいかず、スピードで圧倒しながら足を使ったヒット&アウェー戦法で大差判定勝ちを収めた。中谷は「判定でも(いいから勝つ)というのは試合前からおっしゃっていたので、ポイントアップすることは想定はしていました。スパーリング映像とかが(ネット上で)流れてきたりするのを見ると、ああいう動きもしているので、そういった動きを試合に出せる力があるんじゃないかと感じました」と明かした上で、「全てにおいてトップの選手なので、(戦術を)徹底するメンタリティーはさすがだな」と改めて脱帽。自身との対戦時でも同じようなスタイルを取ってくる可能性もあるが、「もちろん想定はしている。その上でも(対戦した場合は)しっかり上回りたい」と来春を見据えた。
中谷はプロ31勝(24KO)無敗で、24年2月にWBC世界バンタム級王座を獲得し、世界3階級制覇。バンタム級では5戦全てKO勝利と高いパフォーマンスを発揮し、今年6月にはIBF王者・西田凌佑(六島)との自身初の統一戦を制し、米老舗専門誌「ザ・リング」認定の同級ベルトも獲得した。





