スターダム上谷沙弥のブレークで刀羅ナツコが考えること「世間に広まったのはいいこと」
スターダムの極悪軍団「H.A.T.E.(ヘイト)」のリーダー、刀羅ナツコがこのほど、団体の現状を「快適だな」と高笑いした。
21日の国立代々木競技場第二体育館大会では2521人の満員札止め。昨年5月に旗揚げしたマリーゴールドに林下詩美、MIRAIらが移籍し、今年5月には“アイコン”岩谷麻優も活躍の場を移した。そんな中、団体の至宝であるワールド王者に君臨する上谷沙弥が大ブレーク。新人が続々とデビューし、新ユニットが誕生している。
昨年7月にヒールターンした上谷が、所属しているのがヘイト。刀羅は「上谷はポテンシャルを生かせてなかったね」と言う。林下詩美がリーダーだったクイーンズ・クエスト時代を「2番手、3番手の位置で埋もれていた。自分はこうあるべき、というこだわりが強かった」と分析。「『もっと自由にしていい』『もっと自分で考えろ』と伝えて、アイツが自由にやっているのが今の姿だ」と語った。
“闇落ちした不死鳥”になって以降、会場人気が爆発。さらにテレビ出演なども注目を集め、プロレスファン以外への知名度も上昇中。刀羅は観客層について「ファンが入れ替わったよね。今までプロレスを見なかった層が増えた」と話す。そして上谷を「宝の持ち腐れだったのが、世間に広まったのはいいこと。プロレスは見られてナンボだからね。今の上谷は自信の塊だ」と評価した。
一方、刀羅にとって、現在の状況は初体験ともいえる。
以前の極悪ユニット「大江戸隊」時代から、ワールド王者時代の林下詩美、中野たむら正統派レスラーに因縁を付ける“野党的”立場が続いた。昨年夏に自身初のワールド王座を獲得したが、シングル最強決定リーグ戦「5★STAR GP」と重なり、初防衛戦でベルトを手放したこともあって、傲慢に君臨するまでには至らなかった。
同ユニットの上谷が至宝ベルトを巻き、知名度と人気で団体をけん引。初めて“与党的”立場にいる状況への戸惑いを尋ねると「ない。快適だね」とキッパリ。「今までも実質的にはそうだったけれど、スターダムを引っ張っているのはヘイトでしょ」と高笑いした。そして「『株式会社スターダム』を『株式会社ヘイト』に変えてもいいだろう」と調子に乗った。
もっとも、団体の各ベルト獲得状況を見ると、ワールド王座以外は他のユニット勢が巻いている。「それは気にくわないね」と言い、自身に課した責任を明かした。
「ゴッデス王者を琉悪夏で取らないといけない。『BMI2000』を長く組んでいるのに、いつもあと一歩。そろそろ決めないと」
琉悪夏は20歳とはいえ、デビュー9年目。“怪童”の異名を持ちフューチャー王者にも輝いたが、もう一歩壁を乗り越えるブレークが期待され続けている。
代々木第二体育館大会では、琉悪夏とのタッグで、幾度もタッグベルトを巻いた葉月&コグマ組を粉砕。流れを変える機運をつくった。上谷のブレークに乗って、琉悪夏の成長を促す。刀羅は調子に乗りながらも、しっかりと先を見据えている。



