那須川天心「初めてです」 パンツ脱いで計量クリア「さらさずに済んだ」ロバート・山本の赤タオルに感謝

 下着を脱いで前日計量に臨む那須川天心(中央)=撮影・石井剣太郎
 アクセサリーをはずす那須川天心
 下着に手をかける那須川天心
3枚

 「ボクシング・10回戦」(8日、有明コロシアム)

 前日計量が7日、都内で行われた。セミでバンタム級10回戦に臨むWBC世界同級1位の那須川天心(26)=帝拳=は、体重計に3度乗り直した後、最終的にはパンツを脱いでリミットを100グラム下回る53・4キロでクリア。対戦相手のWBA同級6位ビクトル・サンティリャン(29)=ドミニカ共和国=もパンツを脱ぎ、53・5キロでパスした。メインのWBC・IBF世界バンタム級王座統一戦は、WBC王者の中谷潤人(27)=M・T=が53・3キロ、IBF王者の西田凌佑(28)=六島=が53・4キロで一発クリア。史上4例目の日本人王者同士による王座統一戦はゴングを待つだけとなった。

 報道各社のカメラが一斉にレンズを向ける中、天心が意を決してパンツのゴムに手を掛けると、一気に下に降ろした。「(キック時代も)なかった。初めてです」。最初に体重計に乗った際はわずかにオーバーとなり、身につけていたお守り、アクセサリーなどを取り除いて臨んだが、まだ足りない。「無理だったので、パンツを脱いだ」。一糸まとわぬ姿で体重を守り、お尻まで伝うような冷や汗を拭った。

 リミット体重ギリギリで計量をクリアするのが信条の神童は、午前の予備計量で200グラム軽かったため微調整したものの、わずかにミスした形となった。お笑いトリオ・ロバートのメンバーで、日本ボクシングコミッション(JBC)の試合進行役を務める山本博さん(46)が用意した赤いタオルに覆われる中で全裸となったが「すぐに(パンツを)脱ごうとしたら山本さんがすかさず入ってきてくれて、さすがだなと。赤い闘魂タオルで、公共の場に僕の“すっぽん”をさらさずに済んだ」と名脇役の仕事ぶりにも感謝した。

 あわや世界に向けてフルヌードを発信するところだったが「全然(大丈夫)。いつかは全国に(全裸を)さらしてやろうっていうくらいの気持ちはある」とどこ吹く風。世界前哨戦と位置づけるこの試合まで、減量自体は順調だったと強調し「エネルギーも残ったまま、まだ全然落とせる余力がある」とうなずいた。

 対世界への最終テストとあって、公開練習ではスパーリングも含めて全て動画配信もOKとし、あえて“丸裸”となってきた。「僕の中ではRPG(ロールプレーイングゲーム)。今回勝つことで四天王(世界主要4団体王者)と戦う権利を得たい」。進化したボクサー天心がベールを脱ぎ、リング上で全てをさらけ出す。

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