寺地拳四朗 最終12回逆転TKOで王座統一 “百裂拳”でたたみかけユーリを圧倒 WBC・Sフライ級王者ロドリゲスに宣戦布告
「ボクシング・WBC・WBA世界フライ級王座統一戦」(13日、両国国技館)
トリプル世界戦が行われ、世界フライ級2団体王座統一戦で、WBC王者の寺地拳四朗(33)=BMB=が、WBA王者のユーリ阿久井政悟(29)=倉敷守安=に12回1分31秒TKO勝ちし、統一王者となった。
死闘の末、寺地が最後に笑った。ユーリ阿久井の豪腕に苦戦し、終盤まで押し込まれたが、最終12回に魂の連打。右ストレートでぐらつかせると、一気呵成(かせい)に“百裂拳”でたたみかけレフェリーがストップ。執念のTKO勝ちで国技館を総立ちにさせた。史上3例目となった日本人王者同士の統一戦を制し、井上尚弥以来2人目の2階級での王座統一という偉業を達成。「ユーリ選手、めちゃめちゃ強くて心が折れそうになった。最後は気持ちの勝負になって、なんとか勝てた。ホッとしている」と胸をなで下ろした。
勝負師としての嗅覚が研ぎ澄まされた。序盤からキレキレのユーリ阿久井の重い右ストレートに苦しんだ。手数で応戦したものの、11回を終えた時点での採点は1-2(106-103、104-105、104-105)。ベルトを失う寸前まで追い詰められたが、窮地でのラッシュで試合終了89秒前に大逆転した。「本当に危なかった。最後、あそこで後悔なくいけてよかった」。号泣する敗者と握手を交わし「どっちが心が折れるかの勝負だった。(最後に)集中力を発揮できてギリギリで勝てた」と汗を拭った。
ようやく実現した世界王者との最強決定戦。2つのベルトを掲げ、「めちゃめちゃ重みがある」と重量以上の実感を込めた。今後は、さらなる強敵を求めてスーパーフライ級転向も視野に入れている。激闘の余韻が残るリング上から「バムとやりたい」と、WBC世界スーパーフライ級王者のジェシー・ロドリゲス(25)=米国=に宣戦布告した。