異例の事態 井上拓が防衛、武居が王座奪取でバンタム級王座を日本人4人で独占 尚弥の返上から1年4カ月で ベルト狙う那須川天心もリングサイドから拍手

 「ボクシング・WBO世界バンタム級タイトルマッチ」(6日、東京ドーム)

 元K-1王者で、同級5位の武居由樹(27)=大橋=が、王者ジェーソン・モロニー(33)=豪州=に判定3-0で勝利し、世界初挑戦で王座を獲得した。通算成績は9戦9勝8KOとし、史上6位タイのスピードでの世界ベルト獲得となった。日本ジム所属の選手としては記念すべき100人目の世界王者誕生となった。これによりWBC王者の中谷潤人、IBF王者の西田凌佑、直前に防衛に成功したWBA王者の井上拓真とともに、同級の世界主要4団体のベルトを日本人が独占する異例の事態となった。

 9戦連続KOこそ逃したが、勝利者インタビューで武居は「足立区からきた武居が東京ドームで世界王者になりました」と挨拶。「本当に12回が結構きつくて、KOで勝ちたかったんですけど、モロニー選手が強くて。モロニー選手のおかげで強くなれました」と、語った。

 井上尚弥がバンタム級の4団体王座統一を果たし、返上したのが、23年1月。わずか1年4カ月ですべてのベルトが日本人4人の手に渡ることになった。この日会場ではバンタム級での世界王座を目指す那須川天心も来場。武居の勝利に拍手する姿もあった。統一戦の可能性を含め、バンタム級の王座を巡る争いから目が離せない。

 ◆武居由樹(たけい・よしき)1996年7月12日、東京都足立区出身。10歳でキックボクシングを始め、足立東高ではボクシング部主将。2014年、キックボクシングデビュー。17年、Kー1ワールドGPスーパーバンタム級王者に輝いた。21年、プロボクシングデビュー。22年、東洋太平洋スーパーバンタム級王者。23年、バンタム級転向で王座返上。キック戦績23勝(16KO)2敗。サウスポー。身長170センチ。血液型B。

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