ダウン応酬の激戦制した拳四朗「勝ちに徹した」ラスト2ラウンドはセコンドの指示だった

 12回、カルロス・カニサレスにパンチを決める寺地拳四朗(撮影・山口登)
 防衛を果たし、笑顔をみせる寺地拳四朗(撮影・中田匡峻)
 2回、カルロス・カニサレスからダウンを奪う寺地拳四朗(撮影・山口登)
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  「ボクシング・WBA・WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ」(23日、エディオンアリーナ大阪)

 統一王者の寺地拳四朗(BMB)がWBA1位、WBC2位のカルロス・カニサレス(ベネズエラ)に2-0(113-113、114-112、114-112)で判定勝ちし、防衛に成功。世界戦14勝は具志堅用高と並ぶ日本歴代3位となった。

 死闘だった。2回に右のカウンターでダウンを奪った拳四朗だが、3回にはカニサレスの右ストレートを浴び、自身もダウンを喫した。中盤も激しい打ち合いが続いたが、8回の公開採点では1人がドロー、2人が拳四朗を2ポイント優勢とつけた。

 互いにダメージが蓄積する中、10回にはカニサレスが猛ラッシュで拳四朗を追い込む場面もあった。しかし、11、12回に拳四朗は、足を使って相手をほんろう。決定打は出なかったが、打ち合いを避けたこの2ラウンドで、ジャッジ2人が拳四朗を支持して勝利を手にした。

 試合後の記者会見では、終盤の「勝ちに徹した」戦法について問われ、拳四朗は「セコンドの指示。しっかり守りました。打ち合うよりポイント取れるのかなと(思った)」と説明。加藤健太トレーナーも「10回の終わりから勝ちに徹した。触らせるな、空間広げろ、つかみ所をつかませるな」と指示したと明かした。

 これまでで「一番大変な試合やったかも」と拳四朗が言う厳しい試合で見せたセコンドとのチームワーク。試合後に喜びをあふれさせなかったのは、KOより「勝ちに徹した」内容に納得がいかなかったのかと問われ「それもあるが、それもあって勝てたと思う」と複雑な心中も口にした。「その選択ができたのはいいことかな?その分悔しさもある」。それほど、紙一重の厳しい戦いだった。

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