「ボクシング・４回戦」（１３日、エディオンアリーナ大阪）

　元ＷＢＯミニマム級王者、山中竜也さん（２５）の妹、菫（すみれ、１９）＝真正＝がプロデビュー戦に臨み、下野有香（２４）＝ｕＫＯフィットネス＝を３－０判定で下した。兄から「リラックスして力みすぎず、全ラウンド集中していけ」と助言されたとおり、同じくデビュー戦の下野をサウスポーから繰り出すリズム感のある攻撃で圧倒。ワンツーやカウンターを的確にヒットさせ、ジャッジ２人がフルマークの完勝だった。

　小学３年から兄と同門で競技を始め、今春、相生学院高を卒業。「兄と同じ世界王者になりたい」とプロを目指した。２年前の防衛戦で判定負けした竜也さんは、試合後に急性硬膜下血腫と診断され、志半ばで引退。菫はこの日のデビュー戦に「トランクスの発注が間に合わなかった」と、黒字に「竜也」と名前が入った兄の現役時代のトランクスでリングに上がった。

　きょうだいで思いをつないだプロデビュー。うり二つのベビーフェースだけでなく好戦的なボクシングスタイルも竜也さんをほうふつとさせる。２回に相手に鼻血を出させるなど再三追い込んだが、「仕留めきれなかった」と反省点も掲げた菫。「少しでも兄に近づけるように練習したい」と、ここから兄妹での世界王者を目指す。