新王者・中谷、恩師墓前に「次はベルト2本」 中3で死別、感謝の報告
6日のWBO世界フライ級王座決定戦で8回KO勝ちした新王者の中谷潤人(22)=M・T=が9日、故郷に近い三重県木曽岬町を訪れ、ボクシングの手ほどきを受けた元東洋太平洋スーパーバンタム級王者の石井広三さんの墓前にタイトル奪取を報告した。
「小さい頃からの広三会長との約束を果たせ、ホッとしてます。喜んでくれたと思うけど『満足したらだめ。もっと成長しろ』と声を掛けてもらったような気もします」
12年に34歳で急死した同郷の石井さんに師事したのは2年ちょっと。中3での突然の別れだったが、8年後の大一番で「会長との練習を思い出しながら」教えを武器にした。付きっきりでミットを構えて伝授してくれた左フックがKO劇の幕開け。何より、ガードの大切さを力説していた恩師に、傷一つない顔で“対面”できたのがうれしかった。
フライ級では長身の171センチだが、減量苦とは無縁。石井さんが生前、WBCのベルトを熱望していたと明かして「まずはこの階級で統一戦をやりたい。次は広三会長に2本のベルトを見せたい」。天国の恩師をもっと笑顔にする。