プロボクシングの元世界４団体制覇王者で、東京五輪を目指して転向したアマから再びプロ復帰を表明した高山勝成（３６）＝寝屋川石田＝が６日、ウェブを使った記者会見を行った。

　日本ボクシングコミッション（ＪＢＣ）から先月１７日にプロライセンスが発行され、５月１０日には復帰戦が決まっていたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で試合は中止。同１２日にはボクサーの定年となる３７歳になる。ライセンス失効のピンチは、この日の日本プロボクシング協会（ＪＰＢＡ）との新型コロナウイルス対策連絡協議会で、試合中止期間の同様の例には柔軟に対応する旨が確認された。高山は「感謝したい」とした上で、復帰戦が見えない状況に「自分はその時にできることにベストを尽くして戦ってきた。できることをしていこうと思う」と現状を受けとめた。

　現在はＷＢＡミニマム級１０位にランクインしているが、復帰の際に「ライトフライが一番動ける」と話すなど、次の目標は２階級制覇。同級にはＷＢＡスーパー王者の京口紘人（２６）＝ワタナベ、ＷＢＣ王者の寺地拳四朗（２８）＝ＢＭＢ＝がおり、この２人の日本人対決へ期待が集まっている。

　まずはそこへ割って入れるか。高山は「戦えることがあるのであればベストを尽くす。その時の運も実力も絡んでくるので、もし挑めるところまできたら、その王者に全力で挑む」と足もとを見据え、京口については「とても気持ちが強い、ファイタータイプという印象」、寺地は「全く真逆のタイプ。クレバーで自分のボクシングを崩しにくいスタイル」と分析。実力ある若い２人との対決も視野に入っている。

　復帰戦が見えない中でトレーニングも「（試合が）延びる分には全然問題ない」と言いきる。過去にも、日本未公認時代のＩＢＦ、ＷＢＯ王座に挑戦するためにＪＢＣにいったん引退届を出し、海外を転戦。東京五輪を目指す際には、日本ボクシング連盟から１年以上もアマ申請が認められないなどのハードルを乗り越えてきた。「延びた分、次の試合にぶつけてやるという強い思いで日々過ごした。モチベーションは問題ない」と泰然自若を貫く。

　１２日で３７歳。「プロボクサーは４０、５０歳まで続けることはできない。自分がプロとして忘れ物を取り戻すのであれば、この１、２年が勝負。この２年間で自分がたどり着きたいところへたどり着けるようにベストを尽くしていく」と、一気にゴールを目指していく。