井岡一翔、4階級制覇散った フィリピンの伝説に惜敗「リマッチしたい」

 「ボクシング・WBO世界スーパーフライ級王座決定戦」(31日、マカオ)

 同級3位の井岡一翔(29)は同級1位のドニー・ニエテス(36)=フィリピン=に1-2の判定で敗れ、日本男子初の世界4階級制覇はならなかった。WBA世界ライトフライ級1位の京口紘人(25)=ワタナベ=は同級スーパー王者のヘッキー・ブドラー(30)=南アフリカ=にTKO勝ちし、ミニマム級に続く世界2階級制覇を達成。IBF世界フライ級14位の坂本真宏(27)=六島=は王者モルティ・ムザラネ(36)=南アフリカ=にTKO負けした。

 日本人初となる4階級制覇の夢はマカオに散った。井岡がニエテスとの“3階級制覇王者”対決に1-2の僅差判定で敗れてプロ2敗目。平成最後の大みそかに、日本ボクシング史を塗り替えることはできなかった。

 緊迫した高水準の技術戦が繰り広げられた。接近戦ではニエテスに分があったが、中盤以降は井岡が足を使い、疲れの出たニエテスの追走を許さない。互いにダウンどころか有効打すらない“ジャッジ泣かせ”の展開。3人の採点がそろったのは10回だけで、判定は大きく割れたが「そういう試合をしてしまった、倒し切れなかった僕が悪い。(判定は)受け入れないといけない。今日は僕の日じゃなかった」と潔く敗戦を認めた。

 当然、悔いは残った。「もっといけばよかったが、距離感や駆け引きが簡単ではなかった」。試合後、ほとんど傷のないきれいな顔で振り返った。ニエテスは04年9月を最後に14年間無敗、世界戦もここまで18戦不敗(16勝2分け)というフィリピンの伝説。求めていた本物の強敵だったが、「思っていた以上に老獪(ろうかい)でキャリアを感じた」。ペースを握れず探り合いのままラウンドだけが進み「もどかしい気持ち」(井岡)だけが募っていった。

 今後については「終わったばかりで軽はずみなことは言えない」と前置きした上で、「願望としてはリマッチしたい。そういう日が来るような気がする」と再戦を希望した。さらにスーパーフライ級戦線に残り、「僕なりのやり方で自己証明できればいい」と、海外での試合を継続していく考えも示した。

 17年大みそかの電撃引退会見から1年。昨年7月に現役復帰を表明し、同9月には1年5カ月ぶりの再起戦を飾ったが、偉業を前に思わぬ足踏みを強いられた。「見据えていたものは、そんなに甘いものじゃなかった。期待に応えられない未熟さに歯がゆい気持ち。逆に燃え上がった」。闘争心が消えない限り、唯一無二への歩みを止めることはない。

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