ウルティモが30周年大会で“トランプ支持者”アドニスを退治
「プロレス・全日本」(19日、後楽園ホール)
ウルティモ・ドラゴン(50)の30周年記念大会が全日本プロレスの全面協力の下で行われた。ウルティモはメインイベントのルチャリブレルール6人タッグ3本勝負で、メキシコの大スターであるカリスティコ、葉巻が共通の趣味である全日本の秋山準とタッグを結成。トランプ米大統領の旗を振るパフォーマンスがメキシコマットで大ひんしゅくを買っている米国人のサム・アドニス、メキシコの若きベテランのエル・ディアマンテ、全日本のジョー・ドーリング組を迎え撃った。
6人が入り乱れる大混戦の中、ウルティモはマスクを破られるなど、猛烈なブーイングを浴びながら暴れ回るアドニスのラフ殺法に苦戦し、みちのくドライバーで1本目を奪われる。2本目も猛攻を浴びたが、アドニスがウルティモのマスクをはぎ取る反則によって勝ちを拾う。
迎えた3本目は、ウルティモが27日の全日本・両国国技館大会で挑戦する世界ジュニアヘビー級王者のTAJIRIが乱入し、ウルティモに毒霧を噴射。最後はカリスティコがコーナー最上段から場外へ豪快なプランチャを放ってディアマンテを排除する間に、ウルティモが得意のラ・マヒストラルでアドニスを丸め込んだ。
成功に終わった節目の興行を、「無事に30年を迎えられて、周りにいるすべての皆様に感謝です。人間、年寄りになると感謝ですよね。自分がすごかったとか、そんなの関係ない。最近。ようやくそう思えるようになりました」と殊勝に振り返ったウルティモ。今後についても「こればっかしはいつまで続くか分からないですけど、体が続く限りはリングに上がっていきたい。ボクもプロレスが好きなんで、これしかできないですからね」と意欲を示した。
また、TAJIRIの乱入については「彼なりのメッセージじゃないですか。WWEで1回だけシングルをやりましたけど、ボクが負けていますから、今回は何としても借りを返さないと」と、リベンジでの王座奪取に闘志を燃やした。