船井、中川との「友情対決」制して日本王座獲得 7回KO勝ち

日本王座を獲得した船井龍一(左)と福田後援会長
2枚

 「ボクシング・日本スーパーフライ級タイトルマッチ」(22日、後楽園ホール)

 同級1位の船井龍一(ワタナベ)が中川健太(レイスポーツ)を7回2分59秒KOで下し、日本王座2度目の挑戦で初タイトルを獲得した。

 序盤は積極的に前に出てくる中川と迎え撃つ船井というスタイルとなった。1回に偶然のバッティングで中川がみけんをカットするアクシデント。2回には船井が左フックをテンプルにヒットさせぐらつかせた。5回終了時の途中採点はジャッジ2者が49-46で船井、1者が48-47で中川を支持した。

 船井は「ペース的には自分か、同じくらいかなと思った。後半から行こうと思っていたし、中川が2回のフックでぐらついたのでフックが効くのかな、左がポイントになるんじゃないかと思った」と攻勢に出た。6回、左フックで再びぐらつかせると、ロープに追い詰めボディーの連打で追い打ちをかけた。

 そして7回、大振りの中川の打ち終わりに右ストレートをカウンターで浴びせてぐらつかせた。ダメージの色濃い王者を逃さず、強烈な右ストレートでなぎ倒した。レフェリーのカウント途中でタオルが投げ込まれ、KOのゴングが鳴った。

 試合後の控室で安どの表情を浮かべた船井は「中川はこれまでやっただれよりもパンチがあると思っていた。どんなパンチが来ても、たとえ顔面にもらってもこらえてやるという気持ちだった。ただ、想像は超えていなかった。闘いやすかった」と振り返った。

 「友情対決」で注目された。中川と船井は都立・港工業高(現在は閉校)の同級生で、ともにボクシング部を立ち上げた親友だ。先にプロ入りしたのは中川。船井は「先に中川がプロになって、試合を見ていたら自分もやりたくなった。中川に連絡したら家の近くにワタナベジムがあると教えてくれた」と言う。一方、中川は20歳のころボクシングを辞めている。しばらくして船井の試合を見てやる気を取り戻し、約6年のブランクを経て再起した。互いにボクサー人生の岐路に大きな役割を果たし合った。

 「チャンピオン・カーニバル」の指名試合で、指名挑戦者は拒否できない。船井は「試合が決まるまでは闘いたくなかったけど、決まってからはそんなこと言っていられないので、早く気持ちを作った。非情になれた者勝ちと思った」と気持ちを切り替えて臨んでいた。

 船井は昨年10月10日、同じ歳の安衣(あい)さん(31)と入籍した新婚でもある。「挙式はチャンピオンになってからと思っています。10月10日を考えています」と決めていた。チャンピオンになったことで、挙式に花を添えることができた。遅咲きの王者の顔が二重の喜びにほころんだ。

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