日本ランキング見直し案を巡る攻防 JBCと日本ボクシング協会

 ボクシングの日本ランキングに見直しの機運が高まっている。しかし、統括機関の日本ボクシングコミッション(JBC)と全国のボクシングジムで組織される日本ボクシング協会(協会)の求める見直し案が正反対。とても一筋縄ではいかない。

 現在、チャンピオンの下に15位までがランカーとして名を連ねる。ミニマム級やミドル級などでは15位まで埋まらない階級が複数ある。

 JBCの改革案は、日本ランキングの権威を高めるため12位までに戻そうというもの。JBCは2013年10月度から15位に増枠。3年経過で見直しを提案したのは、15年7月から設置した「保留選手リスト」に登録される選手が増えたからだ。

 「保留選手リスト」とは、世界王座挑戦を念頭に、日本王座に挑戦の意思がない選手を日本ランキングから外す制度。「各階級の実力者が日本ランキング表から外れる以上、15位まで必要はない。ランキングの権威を高め、維持するための見直しが必要」(JBC職員)という考えだ。

 一方、協会はジム経営の立場から、ランキングの増枠を求めている。「年々、プロ受験者が減っている中、ボクシングを続けていくモチベーションが必要なんです。プロになれば新人王が最初の目標。失敗したらランカーを目指して頑張る。15位より増やしてほしいし、空欄も埋めてほしい」(東日本のジムの会長)と、その声は切実だ。

 2006年の時点で728人いたA級ボクサーは、2015年には487人に減っている。乱暴な計算と承知しつつ、これを13階級で割れば1階級当たり約37選手。12位までにしても3人に1人はランカーということになる。

 「権威」と「経営」-相反しつつも、どちらにも言い分も理も、重さもある。しかし、ボクシング界を本当に大事に考えるのならば、やはりランキングの増枠は避けるべきだろう。「保留選手リスト」などを内包する中、これ以上複雑なランキング作りは、ファンからそっぽを向かれかねない。(デイリースポーツ・津舟哲也)

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