高山が日本初4団体制覇!TKOで飾る

 「IBF・WBO世界ミニマム級王座決定戦」(31日、ボディメーカーコロシアム)

 ミニマム級の巨人、高山勝成(31)=仲里=が大平剛(30)=花形=を7回2分24秒、TKOで破り、日本初の主要4団体(IBF、WBO、WBA、WBC)制覇を達成した。同級では世界初の偉業で、3度目の王座返り咲き、4本目の世界ベルトは国内最多。最軽量級を完全制圧した「IBF・WBO」2団体王者は今後、階級を上げ2階級制覇を狙う。

 鬼の形相で高山は打ち続けた。7回、ボディーからロープに追い詰めると40、50連発…。棒立ちの大平に怒とうのラッシュ。60連発を打ち込み、レフェリーが止めた。

 11年間もミニマムで戦い抜き、4団体を制覇。仲里義竜会長に肩車され、両腕、腰、そして肩に最後のWBOベルトをかけた。「己に勝つ!!意志あるところに道はある、を証明できた。うれしい!!」と、地元大阪の大声援に応えた。

 「仕留める時に仕留められた」。世界戦で初のKO勝利を飾った。日本初のグランドスラム。4本目の世界ベルトは国内最多。3度目の王座返り咲きは輪島功一、辰吉丈一郎ら伝説王者を超える偉業だ。

 師弟の絆の結実だった。中学卒業時、中出博啓トレーナー(54)に「世界チャンピオンになりたい」と直訴。高校進学をせず、夢を追う14歳は鼻で笑われた。それでもA4用紙にボクシングへの思いを書き込み持って行った。中出氏は「汚い字で書いてあったわ」と受け入れた。

 05年にWBC世界ミニマム級王座、06年にWBA同級暫定王座を獲得した。「汚い紙はその頃捨てた」と中出氏。新たな夢を追った師弟は09年、当時日本では非公認だったIBFのベルトを奪うため日本ボクシングコミッション(JBC)を退会。南アフリカ、メキシコ、フィリピンと連戦し、13年3月、メキシコで3団体目を制覇。そして14年の最後を悲願達成で締めた。

 今後は「休んでから」と、まずは歓喜に浸る。以前には「ミニマムにやり残しはない」と話しており、ライトフライ級に上げ2階級制覇が15年の狙いだ。。

 昨年4月、入学した名古屋の菊華高からは1年5組の同級生、担任ら30人が駆けつけた。冬休みの宿題をクリアし、4本のベルトを持ち3学期の始業式に凱旋する。

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