石田9・14再起!最終標的はクリチコ

 「ボクシング8回戦」(9月14日、ボディメーカーコロシアム第2競技場)

 ボクシングの元WBA世界スーパーウエルター級暫定王者で日本ヘビー級2位の石田順裕(38)=グリーンツダ=が9日、大阪市内の所属ジムで会見し9月14日、大阪・ボディメーカーコロシアム第2競技場で再起戦を行うことを発表した。日本ヘビー級王者・藤本京太郎(角海老宝石)と大みそかの再戦を目標にした前哨戦で相手は元世界ランカーを予定。近日中に発表される。同級王座奪取後は世界最強王者ウラジミール・クリチコ(ウクライナ)を標的にする仰天プランもぶち上げた。

 会見の席で石田から衝撃的な言葉が飛び出した。「クレイジー・キムさんから『日本タイトルでええのか?世界で1番のクリチコとくりくりちこちこやるべきだ』と言われた。僕もくりくりちこちこやるべきじゃないかという結論になった」。

 クレイジー・キムこと金山俊治氏は過去、日本&東洋太平洋スーパーウエルター級王座を獲得した日本重量級の第一人者。石田はタイトル戦で2度戦い2度敗れた相手だ。7月31日から4日間、熊本にある、かつての宿敵のジムで行った合宿で石田は目指すべき道をハッキリと決めた。

 ウラジミール・クリチコと言えば現在、世界ヘビー級で無敵を誇る世界最強の男。「勝てるとは思わないけど1番強いやつはどんなものなのかやってみたい。上を目指すのは楽しい」と、本気で照準を合わせた。

 世界を主戦場に格上と幾度も戦い番狂わせも演じた元世界王者。4月には本来のミドル級から20キロも増量しヘビー級に階級を上げ日本同級王者・藤本と戦った。判定で敗れたものの5月には同級2位にランクインした。

 大みそか、同級王座ベルトをかけた京太郎との再戦に向け両陣営は交渉中。9・14はその前哨戦となる。今年中に日本最強の称号を手にし、来年、世界ヘビー級戦線に殴り込みをかけるプランだ。

 京太郎に敗れた時は38歳の年齢からも現役引退を示唆。麻衣夫人に説得され、5月に現役続行を表明したが、本音は「まだ続けるのか…」だった。

 だがキム氏が迷いを断たせた。キム氏から「『俺、見たことあるから大丈夫』」と言われ無免許の加圧トレで肉体を強化。数々のクレイジーな言動に石田は共鳴。無謀にこそ挑む「ハングリーさと野性味」を吸収し、帰ってきた。

 「下ネタじゃない!」と真剣そのものの表情で「くりくりちこちこ」と恩師からの“金言”を呪文のようにとなえた。麻衣夫人の制止すら振り切る暴走ぶり。波乱のボクサー人生の最終ラウンドに「クレイジー・ノブ」となった石田はもう止められない。

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