日本ラグビー界の象徴だった平尾誠二さんが亡くなってから10年が過ぎた。平尾さんの影響でラグビーを始めた少年は大学で日本一という目標を追い続け、一度はユニフォームを脱いでからも、再び欧州で楕円球と出会うことになる。「平尾誠二最後の教え子」の今ー。連載の第2回。
運命的な出会い
神戸から英国へ
運命の糸はつながっていた。
あの人が、この世を去ってからも。
導かれるかのように、再び楕円形を追うようになったのだ。
舞台は神戸から、ラグビーの母国・英国へ。
1度はユニホームを脱いだはずだった「平尾誠二最後の教え子」は、留学先である人と出会った。
レジ・クラーク。
オックスフォード大卒業後に来日し、1980年代前半に神戸製鋼ラグビー部に在籍。
今から40年ほど前、同志社大を出たばかりの平尾さんが英国留学をした際には、現地での生活面をサポートしてきた人でもあった。
当時の平尾さんと同じ年頃の青年は、オックスフォード大とケンブリッジ大の定期戦で伝統ある「ヴァーシティマッチ」の前哨戦に出場する機会を得た。
オックスフォードと戦うのはペンギンズ(Penguins)。
ケンブリッジはスティール・ボジャーフィフティーン(Micky・Steele-Bodger XV)。
両チームとも歴史ある招待制のクラブで、実力と品格を備えた選手が招集される。
2025年秋、その両方に日本の青年が出場した。
平尾さんに教わったことがきっかけでラグビーを始めた少年は、大学で日本一を目指し、夢破れてからは一度は競技から身を引いた。
あの人の魂は生きていた。
だからこそ、彼は再びラグビーをするようになった。
それは偶然ではなかった。
運命に導かれるように、人と人が繋がってゆく。
まるで平尾さんが、そうしているかのようにー。




