掛布には道具に対する強い「思い入れ」があった。特にグラブは手当てを繰り返して使用できたから引退後の今も健在。「10年間使っていた」その相棒は自宅の棚で大事に保管され、カチカチで黒光りしているヴィンテージものだ。

 グラブの革は打球を直接受ける外側と、手が触れる内側の二重構造になっている。外側の革は固くて強い反面、モロく、傷んだ箇所にミシンをかけると、さらに破れやすくなる。そのため人さし指と中指の間の打球が収まるポケット部分に工夫を凝らしていた。

生きた道具は自分を助けてくれる