今夏、ラクロスの女子世界選手権が国内で開催され、日本代表は目標としていたメダル獲得には届かず7位に終わった。ただ、6人制で行われる2028年ロサンゼルス五輪に向け、課題とともに確かな手応えをつかんだ大会だった。注目選手を紹介する第2話は、国内の大学からは2人が選出されたうちの1人、一橋大4年のDF高木舞(そら)。文武両道を貫くアスリートを取材した。
3部リーグから日本代表
大学卒業後は総合商社へ
印象的なプレーがある。
今回の世界選手権、分岐点となった1次リーグ・第3戦のイスラエル戦(7月28日)。
第3クオーター(Q)まで9ー9の同点だった。
最終の第4Qに勝ち越しを許すと、流れはイスラエルに傾いた。
興奮した相手側の応援が、大井ふ頭中央海浜公園ホッケー競技場に響いていた。
その後も自陣での守備に追われた日本。試合時間は残り5分ほどになっていた。
日本の20番が、粘り強い守備で相手選手を追い続ける。
蒸し暑い会場。体力の消耗は想像以上だったに違いない。
それでも勝負を諦めてはいなかった。
左から右へ、逃げるように時間を稼ぐ相手選手にぴったりマークし、そしてついに、ボールを奪った。
カウンターからイスラエルのゴールへと迫る。
長身の20番こそが、高木舞だった。
その試合、日本は9ー11で敗れ、イスラエルは結果的に銅メダルを獲得している。
その差は、ほんのわずかだった。
だからこそ、最後まで諦めずにボールを奪い、相手ゴールへと向かっていった1つのプレーが、いつまでも記憶に残っている。
彼女がラクロスと出会ったのは、一橋大に入学してからのことだった。
広瀬珠桜(たまお)とともに、現役大学生でメンバー入りした選手。
昨季の大学女王である関学大に所属している広瀬に対し、高木のいる一橋大は3部リーグを経験したこともあるという。
大会前から、どうしても取材をしたい選手が彼女だった。
なぜ、ラクロスに夢中になるようになったのですか?
そんな問いかけに、スタジアムの片隅で足を止め、笑顔で答えてくれた。
そこには他の競技では想像もつかないような世界観があった。



