2028年ロサンゼルス五輪で120年ぶりに正式競技に復活するラクロス女子で日本代表の注目選手を紹介する。第1回は元サッカー日本代表の中沢佑二氏を父に持つ、姉のこころ(無所属)と妹のねがい(米ノースカロライナ大)。日本で開催された今夏の世界選手権では、準々決勝で世界ランク2位のカナダを相手に延長サドンデスで敗れはしたが、姉妹で得点を挙げる活躍。6人制で実施される五輪でのメダル獲得へ、「中沢姉妹」が日本の中心として輝いている。【ラクロス女子日本代表連載 第1話】

ラクロス女子日本代表の中心として輝く中沢姉妹(11番こころ、22番ねがい)
ラクロス女子日本代表の中心として輝く中沢姉妹(11番こころ、22番ねがい)

受け継がれる系譜「勝つための本能」

2人の姉妹がフィールドに立つ姿は、父の現役時代とは少し違っていた。

サッカー日本代表として活躍した佑二氏は、センターバック(DF)として世界の猛者どもと対峙した。

最終ラインで日本のゴールを守ることが、父の使命だった。

夕暮れの大井ふ頭中央海浜公園ホッケー競技場。

山手線の浜松町駅から羽田空港方面のモノレールに乗り換え、10分ほどで大井競馬場前に着く。

そこから歩いて10分ほどの場所にある小さなスタジアムで、中沢姉妹を擁する女子日本代表は世界選手権に挑んだ。

果敢に相手ゴールへと向かう。

準々決勝(7月29日)は世界ランク2位のカナダが相手だった。

ねがいが強豪から先制点を奪う。

さらに同じ第1Qには、こころからのパスを受けたねがいが、再び追加点を決めたのだ。

日本のゴールを守り続けた父と、日本を勝たせるために攻め続ける姉妹。

対照的な構図のようにも見えた。

現役時代の父のデータを調べてみる。

そうか、そうだったのか。

ボンバーヘッド(父の愛称)は空中戦に強かった。

1999年に日本代表に初招集されてから、2010年W杯南アフリカ大会後に代表を離れるまで、国際Aマッチ110試合に出場した父は17得点を挙げている。

それは、ディフェンダー登録の選手としては、歴代最多の数字だというのだ。

まだ日本サッカーが世界の強豪には苦戦していた時代。

父は日本のゴールを守りながらも、日本を勝たせるために、チャンスがあれば得点を狙い続けていたのだ。

父から2人の娘へとつながる系譜がある。

この物語は、父の背中を追い続けてきた姉妹の絆を描く。

得点を決め喜ぶこころ
得点を決め喜ぶこころ