【回答者・篠原かをり】14歳息子がゲーム中毒、暴言も
【聞きたい】14歳の息子がゲームをやめません。ほっておけば寝るまでやっていますし、注意すればキレて暴言まで吐くこともあります。学校の成績も下がりがちで、心配です…。どうすれば、ゲーム中毒から抜けられるでしょうか。(45歳・女性)
【答えます】私もついうっかりゲームをやり過ぎて時間を浪費することがあるので反省しながら相談を読ませていただきました。
親の立場からすると将来のために勉強をして成績を保ってほしいというのも当然です。ゲームが全て悪いものというわけではありません。小説や映画のように思い出に残ったり、人生のヒントを得られたりするような素晴らしいゲームもあります。ロールプレイングゲームなど複雑なゲームが、子供のストレス発散に繋がり、創造性や忍耐力を育てるという研究結果さえあります。
この問題の本質は、自分の願望を押し通すためにキレて暴言を吐くことでしょう。それはどんな状況下にあっても許されることではありません。心からゲームが好きなのとは違い、本人もゲームから抜け出したくても抜け出せない状態にあるのかもしれません。
私も、ストレスから目をそらすためにもはや楽しくもないソリティアを一日中やり続けていたことがあります。ゲームの世界では簡単に課題をクリアして達成感を味わい、先に進むことができるのです。人生は課題が何かも教えてくれないというのに。
ゲームをやめさせるためには、何故そこまでハマるのか知る必要があります。試しにそのゲームの魅力を聞いてみたり、一緒にやってみたりしてもいいかもしれません。楽しくないのにやっている場合は本人も気がつくきっかけにもなります。あくまで嫌味ではなく、本当に興味を持ったように聞くのもポイントです。ゲームをやめさせることではなく、なぜ、ゲームをせざるを得ないのかを解き明かすことが問題解決の鍵になりそうです。
ちなみにゲームをやめさせても、子供の学習時間は、1~2分しか増えないことも過去の研究から明らかになっています。子供なんてそんなものなのかもしれません。
◆篠原かをり(しのはら・かをり)神奈川県出身、22歳。慶応大学環境情報学部で生物学を学ぶ。自宅でゴキブリ400匹、サソリ、タランチュラなどを飼育する生き物オタク。17年11月にビジネス書「サバイブ」(ダイヤモンド社)の原作を担当。