【にしたん社長の人生相談 お悩みクリニック】30代半ば独身男性、アイドルの推し活をやめられない

 にしたんクリニックなどを展開するエクスコムグローバル株式会社の西村誠司社長があなたの悩みに答えます。

 【相談】 平成3年生まれの独身男性です。「推し活」ではなく「オタク」と呼ばれていたころから、アイドルが生きがいで、就職後は少なくない額を遠征費やグッズに注ぎ込んできました。しかし最近、実家に帰るたびに親から「将来の蓄えや結婚はどうするんだ」と詰められることが増えました。同世代の同僚が住宅ローンを組み、教育資金の話をしているのを聞くと「このままで大丈夫だろうか」と何とも言えない焦りを感じます。でも、推しを奪われたら、何をモチベーションに頑張ればいいのでしょうか。趣味と現実を両立させる、上手なバランスの取り方なんていうのは、都合が良すぎますか。西村社長にアドバイスをいただきたいです。

 【回答】 長年アイドルを応援し、それが仕事を頑張る原動力にもなってきたのですね。一方で、30代半ばになり、周囲が住宅や子育て、将来のお金について考えている姿を目にすると、「自分はこのままでいいのだろうか」と不安になる。そのお気持ち、お察しします。

 まず私は、推し活をやめる必要はまったくないと思います。仕事以外に夢中になれるものがあり、「これがあるから頑張れる」と思えることは、人生にとって大きな財産です。趣味にお金を使うこと自体が悪いわけでもありません。旅行が好きな人もいれば、車やゴルフにお金を使う人もいる。あなたの場合、それがアイドルだったというだけです。

 ただし、一つだけ大切なのは、「好きなことに使うお金」と「将来の自分を守るお金」を分けることです。推し活にいくら使ったか分からない、貯金がほとんどできない、生活費まで削ってしまうという状態であれば、一度見直したほうがいいでしょう。しかし、毎月一定額を貯蓄し、生活に必要なお金を確保したうえで、残った範囲で思い切り楽しむのであれば、私は何の問題もないと思います。

 私なら、「推し活を我慢して余ったら貯金する」ではなく、給料が入った時点で先に一定額を将来のために確保します。そして残ったお金は、自分が幸せになるために使う。そうすれば、楽しむたびに罪悪感を抱く必要もなくなります。

 また、同僚と自分を比べすぎないことも大切です。住宅ローンを組んだから立派、結婚して子どもがいるから安心というわけではありません。住宅を買えば大きな責任が生まれますし、結婚や子育ても本人が望んでこそ意味があります。人生には、それぞれ違った幸せの形があります。

 ただ、ご両親がおっしゃる「将来は大丈夫なのか」という心配にも一理あります。結婚するかどうかは別として、年齢を重ねれば病気や介護、老後など、自分で備えなければならないことは増えていきます。ですから、親御さんの言葉を「推し活を否定された」と受け取るのではなく、「人生の土台も少しずつ作っておこう」という助言として受け止めてみてはいかがでしょうか。

 そして、結婚については、焦ってするものではないと私は思います。「周囲が結婚しているから」「親に言われたから」という理由で相手を探しても、なかなか幸せにはつながりません。もし将来、好きな人ができて一緒に暮らしたいと思えば、そのときに考えればいい。ただ、その選択肢をお金の問題だけで失わないよう、準備だけはしておく。それくらいの考え方でいいのではないでしょうか。

 私は人生において、何かに夢中になれる力はとても大切だと思っています。仕事でも趣味でも、本気で好きになれるものがある人は強い。その情熱まで手放して、「将来のため」だけに今を我慢する人生も、少し寂しい気がします。

 大切なのは、今の幸せと未来の安心を二者択一にしないことです。推しは推す。でも、貯蓄もする。遠征にも行く。でも、自分の将来にも毎月きちんとお金を残す。そのルールさえ決めれば、両立は決して都合の良い話ではありません。

 人生は将来のためだけにあるわけでも、今を楽しむためだけにあるわけでもありません。好きなものを大切にしながら、未来の自分にも少しずつ仕送りをする。そんな感覚で、ご自身なりのバランスを見つけていけばいいのだと思います。

 ◇西村 誠司(にしむら・せいじ)1970年生まれ、愛知県出身。「にしたんクリニック」などを展開するエクスコムグローバル株式会社代表取締役社長。名古屋市立大学を卒業後、外資系コンサルティング会社に入社。2年で退職して25歳で起業、現在年商333億円に成長。TikTokフォロワー数8万2000人。

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