猫に寄り添い35年「猫と人が暮らしやすく」川上麻衣子は社団法人理事長に

 18歳から猫と暮らして35年。女優・川上麻衣子は猫好きの仲間と一般社団法人「ねこと今日 Neko-to-kyo」を昨年9月に立ち上げ、理事長を務めている。その名称は「猫と人が暮らしやすくしていける提案を東京(to-kyo)から発信する」という思いに由来する。

 3年前、生まれ故郷・スウェーデンの小物や自身のガラス作品などを販売する店「スウェーデン・グレイス」を東京・谷中にオープンしたが、今年4月に近くの千駄木にサロン「Maj no ma(まいの間)」を開いた。「Maj」はスウェーデン語で「まい」と読む。近隣の人や猫好きの仲間との情報交換やイベントなどの拠点になる。5月にはスウェーデンで野良猫の状況を取材してきた。

 川上は「猫が欲しいと思った時から最期を看取るまでのすべてを網羅できるコミュニティを作りたい。トイレの習慣や病気の兆候など、飼っている人の経験談が一番参考になる」という。「看取り後にペットロスになる方は『どういう別れだったか』を聞いて欲しいという思いがあり、それに応じたい。また、インターネットでも猫好きの方や企業さんと一緒にコミュニティを作っていけるサイト(neko-to-kyo.com)を制作中です」と意欲的だ。

 14歳だった1980年に女優デビュー。同年10月から放映され、驚異的な視聴率を記録したTBS系「3年B組金八先生」第2シリーズ出演で注目された。以後、テレビ、映画、舞台で演じる一方、ガラス工芸や執筆、講演なども続ける。多彩な活動の中で、ライフワークと言っていい「猫」に関する活動が今、本格化している。

 「これまで7匹飼って4匹を看取った。今、うちには3匹います」。人間でいえば「100歳近い」という19歳のアクアとスウェーデン語で「ありがとう」を意味するタックは2歳のオス。メスのココロは3歳になる。

 「猫は人生の師匠です。孤立ではなく、自立した生き方をしている。こびないしぐさが憧れであり、一緒にいて心地がいい。最期は命を使い切って、そっと去っていく。そこは神秘的に感じます」

 女優業も多忙だ。映画では、今冬にも公開予定の大林宣彦監督の新作に初出演。舞台は、今年9月に青森県立美術館で太宰治の生誕110周年記念公演「津軽」に出演。ガラスデザイナーとしては来年4月に銀座・松屋で個展を開催する。スウェーデン語の絵本翻訳も継続し、生きていくうえで大切なものを描いた「ウンチの本」の出版を模索中という。

 マルチだ。「あっという間に1年が終わってしまいます」。充実した笑顔を浮かべた。(デイリースポーツ・北村泰介)

 ◆川上麻衣子(かわかみ・まいこ)1966年2月5日、ストックホルム生まれの東京育ち。NHKドラマ「絆」で女優デビュー。テレビでは「3年B組金八先生」「青が散る」などのドラマや志村けんと共演したバラエティー、映画は「幸福」「うれしはずかし物語」「その男、凶暴につき」「でべそ」など多数出演。著書に「彼の彼女と私の538日」(竹書房)。01年からガラスデザインを始め、05年から個展開催。

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