40度・10分入浴がもたらすメリットを医師が解説→温熱など3つの作用で免疫細胞の働きも活発に!

 最近、40度のお風呂に10分入浴するのが健康に良いという研究データが注目を集め、入浴の健康効果が再認識されています。忙しさからシャワーで済ませがちな現代人にとって、湯船に浸かる習慣が健康長寿に不可欠な生活習慣として医学的にも見直されています。

 40度・10分入浴がもたらすメリットは、温熱作用・水圧作用・浮力作用の3つの相乗効果と推測されています。温熱作用により体温が上がり血管が拡張して血流が改善され、疲労物質の排出が促進され、疲労回復が進みます。内臓の働きが活発になり、免疫細胞の働きも高まります。お湯に浸かることによる水圧が全身に作用し、心臓へ戻る血流が促進され、むくみが改善されます。浮力作用は体重負荷を軽減し筋肉・関節を緩和、リラックス効果を高め副交感神経優位にして睡眠の質を向上させます。

 シャワーは主に表面の汚れ除去が目的であり、湯船のもつ温熱・水圧・浮力といった効果を体の芯まで届けるのは困難です。とくに夜間の入浴では深部体温を上げてから下げることで入眠を促しますが、シャワーではこの効果が不十分なため、睡眠の質において湯船に劣るとする報告が多く見られます。入浴習慣がある人は睡眠や全体的な健康状態が良い傾向が指摘されています。

 逆に入浴を適切に行わないと健康リスクが生じます。42度以上のお湯や長時間の入浴は血圧の急変を招き、特に高齢者ではヒートショックにより心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まります。脱水を防ぐため、心臓や腎臓に病気がない方は入浴前後に水分補給を心がけましょう。40度では少し寒い気がしますので、浴室暖房を併用し早速私も今日から湯船に浸かることにします。

 ◆西岡清訓(にしおか・きよのり)兵庫県尼崎市の「にしおか内科クリニック」院長。呼吸器、消化器疾患を中心に一般内科診療などを行っている。

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