【松本浩彦医師】インフルエンザ大流行の兆し…発症後48時間が“勝負”

 先週末の2019年12月20日現在、当院でのインフルエンザ患者数は1日平均5人です。例年に比べて3週早く流行期に突入したと言えます。流行が早まったからといって、収束も早くなるものではありません。このままですと、おそらく1月中には厚労省からインフルエンザ警報が、2月には非常事態宣言が出されそうな勢いです。

 当院では全例A型で、喉の痛みや咳などの兆候があり、24時間以内に38度以上の高熱と頭痛が出現します。目がシバシバして顔が真っ赤に火照るという、典型的なインフルエンザ顔貌が特徴です。例年は学校の3学期が始まる頃からインフルエンザは爆発的に流行します。今夏のオーストラリアでの流行状況から推測して、日本でも今冬は過去最悪だった昨冬に比べて2倍の患者数、という予測もあります。

 今からでも遅くないのでワクチン接種をお勧めします。ただ、もうこの時期になるとワクチンを常備している医療機関も少なくなります。何度も言っていますが、ワクチン接種の有無にかかわらず、最大の予防法は「小まめな手洗い」です。インフルエンザは、ウイルスがついた指で顔の粘膜を触ることで身体に侵入します。電話の受話器、ドアノブ、手すり、エレベータのボタン、みんなが触れる場所には危険が一杯です。インフルエンザウイルスにはアルコール消毒も有効ですので、手洗い、アルコール消毒は小まめにお願いします。

 もし発症したとしても、いまは簡易検査キットもありますし、特効薬が5つあります。どれも非常によく効く薬ですが、大切なことは発症後、48時間以内に投与することですので、どんなに辛くても時間との勝負だと思って、這ってでも医療機関を受診してください。

◆松本 浩彦 芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、日本臍帯プラセンタ学会会長。

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