【松本浩彦医師】人類はある意味「大迷惑な新参者」

 地球上で一番たくさんいる生物って何かご存知ですか?

 細菌やウイルスなどを除けば、地球上に生息する最も多い生き物は昆虫です。地球上の生物のなかで80%を占めているとされる昆虫は、いまだに見つかっていない新種を入れると1000万種、その実数は100京匹以上と言われています。地球って「虫の惑星」なんですね。

 ところで地球が生まれて何年になるかご存知ですか?正解は45億年。

 じゃあ「ホモ・サピエンス」つまりヒトですね、これって何年前に地球に誕生したでしょうか?正解は20万年前。

 じゃあ、地球の45億年を一年に凝縮したとして、人類が誕生したのは何月何日頃になると思います?正解は12月31日23時45分ごろです。

 人間って、地球にとっては新参者。それも、発車ギリギリで飛び乗ってきた新しい生物なんですね。自然破壊ばかりしている人類は、昆虫にとっては厄介者でしかありません。地球という惑星にとって人間ほど厄介な生き物はいない、ということになります。人類は地球の盟主だなんておごり高ぶりもはなはだしいんです。「大迷惑な新参者」これが人類です。

 ディズニーのアニメ「スティッチ」のエピソードの一つに、銀河連邦裁判所が、いつまでたっても戦争をやめない野蛮な地球人を抹殺しようとする話があります。人類滅亡の危機ですが、地球には銀河系絶滅危惧種に指定されている「蚊」という昆虫が生息しており、蚊は生きていくために地球人の血を吸わなくてはならない。

 銀河系絶滅危惧種を守るためには、その食料源である人間を滅ぼしてはいけない、という理由で人類は救われます。子供の漫画だなんて思ってたら、けっこう奥が深いので驚きです。

 ◆筆者プロフィール 松本浩彦(まつもと・ひろひこ)芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、日本臍帯プラセンタ学会会長。

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